今こそ、「いやし」「愛する」時
姜尚中(カン・サンジュン) 東京大学教授 |
 |
新たな夢を見つけるための大きな一歩に
金芝河(キム・ジハ) 詩人 |
 |
 |
 |
 |
朝鮮半島が事実上の植民地となって100年。そして解放から60年がたち、日韓条約から40年になる。まさしく今年には「時がある」ことになる。
「殺すに時があり」「憎むに時がある」とすれば、私たちは今こそ、「いやすに時がある」「愛するに時がある」ことを告げなければならない。このクルーズは、それを告げる船出になるはずだ。 |
 |
 |
 |
 |
20世紀、人類は、楽観的な未来の夢を持っていた。しかし、2回の世界大戦、地域紛争、貧富格差、環境破壊など、さまざまな問題を抱えている。21世紀の今、私たちは、もっと高い理想と連帯をもち、新しい生命共同体を夢見ている。
今回の航海は、韓国、日本の市民たちが新たな夢を見つけるための大きな一歩であると信じたい。 |
 |
 |
実体験を通じて「心理的ひきこもり」からの脱却を
香山リカ 精神科医 |
|
開けたアジアの一人として生きていけるきっかけに
権海孝(クォン・へヒョ)俳優(ドラマ「冬のソナタ」出演・キム次長役) |
 |
 |
 |
 |
情報に囲まれた生活の中で、私たちはふと、自分も東アジアの人間であることを忘れてしまいそうになる。そして、「北朝鮮」との関係も憲法9条の問題も日本の“国内問題”として処理すればすむような錯覚に陥ってしまうのだ。
この船旅でインターネットなどでは実感できない「遠さ」と「近さ」をしっかりからだに刻んで、今の日本人全体が陥っている“心理的ひきこもり”から脱却し、日本の問題をアジアの問題としてとらえる視野と心の広さをぜひ獲得してほしい。 |
 |
 |
 |
 |
演技者として、俳優として、東北アジアをめぐる大きな文化の流れができているのを体で感じている。しかし、今の時代が求める東北アジア連帯の裏面には、各国が負った歴史の真実と歪曲という解決しなければならない課題も残っていると感じる。
韓国、日本、中国の子どもたち皆が、開けたアジアの一人として生きていけるようなきっかけを、この航海を通じて見つけられると期待したい。 |