細野環境大臣は、被災地の自治体で最も多くのがれきが発生した宮城県石巻市を訪れ、がれきを被災地以外で受け入れる広域処理への協力を改めて全国に訴えていく考えを示しました。
被災地では、岩手、宮城、福島の3つの県の沿岸部だけでも2200万トンを超えるがれきが発生しましたが、10か月半がすぎても仮置き場に運ばれたのは70%にとどまり、その後の焼却などの処理も進んでいない自治体が多く、復興の妨げになっています。このうち石巻市は、被災地の自治体で最も多いおよそ638万トンのがれきが発生し、仮置き場に運び込まれたのは全体の4割ほどに留まっています。細野環境大臣は、仮置き場の1つを視察し、同行した亀山市長から、市内に26か所ある仮置き場はいずれもほぼいっぱいで、今後被災した建物の解体が進むと運び入れるスペースが足りないことなど、深刻な現状を伝えられました。がれきを被災地以外で処理する広域処理を巡っては、複数の自治体が受け入れの検討を表明していますが、住民などの反対で、東北地方以外で受け入れているのは、いまだに東京都だけです。細野大臣は、みずからがれきの放射線量を測定し、1時間当たりおよそ0.05マイクロシーベルトであることを確認し、安全性を強調していました。このあと、細野大臣は、宮城県の村井知事と会談し、県内でがれきの処理を可能なかぎり進める一方、広域処理は国と県が一体となって取り組んでいくことを申し合わせました。細野大臣は、記者団に対し、「国民一人一人に被災地が今も深刻な状況であることを理解してもらえれば、広域処理も進むはずだ。国が努力する余地も十分あり、しっかりとやっていきたい」と述べ、広域処理への協力を改めて全国に訴えていく考えを示しました。