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【社会】

生肉提供 9割が不合格 新基準適用「ユッケだけ」誤解も

 厚生労働省は二十七日、生食用牛肉を取り扱う全国の飲食店や食肉処理業、販売業計四百四十五施設への立ち入り調査で、93・9%に当たる四百十八施設が、新たに定めた規格基準に適合していなかったと発表した。

 同省は不合格の施設に生食用牛肉の提供を中止するよう、都道府県を通じて指導した。

 厚労省によると、生食用牛肉を提供する施設は昨年五月時点で約二万施設あったが、同十月の新基準施行で大半の施設が提供を取りやめていた。

 調査結果によると、不合格の四百十八施設の中で、調理の基準を満たしていなかった施設は四百施設。うち99・0%が「肉の表面の加熱殺菌」など、新たに義務付けられた加工処理を経ていない肉を調理していた。

 また、「区別され、衛生的な専用設備で調理していない」が93・8%、「衛生的な専用器具を使っていない」も70・3%に上った。

 不合格だった施設の半数近くが、問題となったユッケは扱わず、牛タタキだけを提供。厚労省の担当者は「新基準は牛タタキや牛刺しも対象だが、多くの業者がユッケだけに適用される基準と誤解していた」と分析。同省は今後、あらためて新基準の周知徹底を図る。

 新基準は、生食用牛肉を密封包装し、湯につけるなどの方法で表面から一センチ以上深い部分を六〇度で二分以上加熱した後、冷却することなどを食肉処理業者に義務付けた。

 

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