前橋市の市立中学校に在籍していた元女子生徒(18)が、同級生からいじめを受けて対人恐怖症とPTSD(心的外傷後ストレス障害)になったのは、学校側が適切な対策を取らなかったのが原因として、父親が同市を相手取り、4686万円の損害賠償を求める訴えを前橋地裁に起こした。同市教委は元生徒に対するいじめの存在を認めており「法的な対応は弁護士と相談して決める」としている。
訴状によると、元生徒は中学2年だった07年の2学期ごろから、クラス内で「死ね」などの悪口を言われたり、給食にごみを入れられるなどのいじめを受けた。3学期からは不登校になり、自傷行為や自殺未遂をはかるようになったという。元生徒側は「学校はいじめの存在を認識していたにもかかわらず放置し、安全配慮義務に違反した」と主張している。
市教委の青木博指導部長は「いじめがあったことは学校も市教委も認識している。いじめの具体的な内容や当時の対応について学校から情報収集し、真摯(しんし)に対応したい」と話している。【塩田彩】
毎日新聞 2012年1月24日 地方版