07年5月に佐賀県唐津市の市立中1年の女子生徒がいじめを苦に校舎から飛び降りて重傷を負った問題で、生徒とその両親が、市と上級生3人、その保護者を相手取り、治療費や慰謝料など約1億3000万円を求めた損害賠償請求訴訟で、佐賀地裁(野尻純夫裁判長)は27日、生徒側の請求を棄却した。
訴状などによると、女子生徒は07年4月、同中のソフトボール部に入部。その後、同部の上級生3人からグラウンドで体操着の短パンを下ろされたり、上履きを投げつけられたりしたほか、無視されるなどのいじめを受けた。
これを苦にした生徒は同年5月、校舎の窓から飛び降り、背骨を折る重傷を負った。下半身の機能が失われ、車椅子の生活を余儀なくされている。
生徒側は、上級生の保護者には子供の監督責任に基づく賠償責任があると主張。また市の安全配慮義務違反を指摘していた。
また、市教委は同年7月に飛び降りの原因の一つにいじめがあったと認めていた。【春田周平】
毎日新聞 2012年1月27日 西部夕刊