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「いじめ放置し後遺症」 市を提訴

2012年01月24日

 前橋市内の中学2年生だった時、いじめを受けて不登校になり、深刻な後遺症を負ったとして、現在18歳の元女子生徒が市を相手取り、約4690万円の損害賠償を求める民事訴訟を前橋地裁に起こしたことがわかった。

 訴状によると、元女子生徒は2007年7月ごろ、担任教諭の授業をボイコットするという同級生の誘いに乗らなかったところ、学級のほぼ全員に無視され、一部からは給食にチョークやゴミを入れられたり、生ゴミを机やロッカーに入れられたりしたという。

 校舎の壁に中傷の言葉を書かれたことや、「カッターで腕を切れ」と言われたこともあったという。

 1学期は欠席日数はゼロだった。しかし2学期から欠席が増え、3学期から卒業まで1年以上にわたり不登校になった。

 3年時の08年5月には睡眠薬などを大量にのみ自殺未遂を起こした。精神疾患のため11年7月まで入通院し、現在も社会復帰が困難な状態だという。

 訴状では「学校側は謝罪の場を積極的に設けようとせず、いじめによる不登校などの影響を解消するための措置を講ずることを怠った」と主張している。11日に提訴した。

 前橋市教育委員会は取材に対し、「いじめがあったことは当時から認識していた」と認めた。学校側にいじめの解消策を指導したり、対策についての相談に乗ったりと、対応してきたと説明している。

 提訴を受け、あらためて学校側などに聴取を進めていて、青木博・指導部長は「所有物を隠されたり、教科書に落書きされたりしていた事実は確認できたが、個別の内容についてはさらに調査して対応を考えたい」としている。

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