「私が治す!」
「医者が無理だと言っても私が治してみせる!」
そんな 精一杯の強がりを言ったものの…
「おはよっ」
って 毎日言っても 彼は ベッドの上…
これと言って 薬がある訳でもなく ただただ これ以上出血をしないよう 腹部内に出てしまった血が落ち着いてくるのを何もしないで待つしかなかった…
「こんなんじゃ彼が死んじゃうよ…」
私は 何もできない自分の無力さを痛感した…
医学的知識がある訳でもなく…
癌の知識がある訳でもなく…
愛する人を救えないなんて なんて無力なんだ…沈んだ…
でも…このまま 引き下がって たまるもんか!!
「私にできる事…」
「神様が 私をなぜこの状況に置いたのか…」
「絶対に何か意味があって… 絶対に私にできる何かがあるはず…」
「何をすればいいの…何?何?…」
どれだけ問いても 神様からその返事はなかった…
私は それから毎日毎日 彼のお腹に 手をあてた…
目を閉じて…
「私が治すんだー!!」
と 心の中で 毎日何度も叫んだ…
こんな おまじないしか私にはできなかった…
こんな事にでも必死にやるしかなかった…
今の私にしかできない事だ…
と信じて…
でも…
彼の暖かい体に触れて 自分にも おまじないをかけていたのかもしれない…
大丈夫…大丈夫…だよ って 自分に…
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