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電気料金値上げ、関電の否定で東電の根拠崩壊

2012年01月21日 06:17

団藤保晴

 東京電力の電気料金値上げ(大口向けに4月から17%)が既成事実であるかのように在京メディア発で報道され始めています。しかし、電力業界のナンバー2である関西電力は、21日の朝日新聞経済面によれば「値上げは考えていない。原発再稼働に努力する」と否定しました。原発の相次ぐ運転停止、その代替えの火力発電用燃料費調達を根拠にした拙速な値上げは、同業他社が「まだ待てる」と言っている以上、根拠を失ったと評すべきです。

 《東電の電気料金「私物化」は過去まで遡り返済を》で指摘したように、東電は過去に本来認められている費用以外の多くの経費を電気料金に盛り込んできました。「発電とは無関係のものが費用計上されていると新たに判明したのは、ハード面では静岡県熱海市など各地にある保養所や社員専用の飲食施設、PR施設などの維持管理費」「ソフト面では、財形貯蓄の高金利、社内のサークル活動費、一般企業より大幅に高い自社株を買う社員への補助、健康保険料の会社負担など」あまりに常軌を逸しています。さらに、民間企業である以上、料金値上げをするなら潤沢とされる人件費の圧縮や不要資産の売却を徹底して当然です。過去の不当な利益を会社と社員に温存して値上げするなど許されません。

 時事通信の「東電値上げの悪影響懸念=GDPを0.1〜0.2%押し下げ−経財相」で「さらに景気を冷え込ませたり(産業)空洞化の背中を押すようなことにならないか、大変懸念している」との大臣談話を見ると、政府は何を考えて政策を立てているのでしょうか。GDPの0.1%減少にかかわる判断を一企業に委ねるなど論外です。巨額の国費を渡して支援するだけの現状を見直し、東電国有化を直ちに断行して、国民が納得できる資産内容まで削り経済への影響を最小限度に食い止めるべきです。そして、マスメディアは値上げの根拠を過去に遡って厳しく追及すべきですが、全く動こうとしません。何らかの癒着があると、普通の市民は考えるでしょう。

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