前書き

世の中には2種類の成功者が存在します。『成功するために生まれてきた人』と、『やるべきことを「成功の教科書」通りに実行したら成功した人』。

前者はアルベルト・アインシュタイン。
後者はイチローやシュワルツネッガー、マリリン・モンロー。


世間では前者のことは「天才」、後者のことは「努力家」と呼びます。


前者の特長は「その分野でしか成功できない可能性が非常に高い」こと。
アインシュタインは物理学という分野だからこそ成功をおさめることができました。
もし彼がスポーツマンとして何かに挑戦していたら、歴史上に名前を載せることはできなかったかもしれません。
なぜなら彼は「成功する方法を知らないから」。
ただ物理学の分野において天才だったため、相対性理論という大発見をすることができました。


後者の特長は「成功するためにはどうしたらいいのか」を知っていた。もしくは「自分の魅力や可能性を最大限発揮する方法」を知っていた。
成功というよりは「なりたい自分になるため」と言ったほうが適切だろうか。
彼らは全員、生まれつき天才的な能力は持っていなかった。



残念ながら私もあなたも、天才ではないなら前者のような人間にはなれません。
ですが私たちが普通の人間ならば、後者側で成功することが十分に可能です。
ではどうすれば後者の人間になれるのか。闇雲に努力するだけならば、日本は成功者で溢れかえっています。
努力家に共通することは「自分の魅力を最大限に引き出す」ことが上手でした。
シュワルツネッガーも、あの筋肉を生かした演技を努力することでハリウッドスターになることができました。自分の可能性を最大限に生かした人は芸能界でも長続きしています。自分の魅力に気づかずにメディアから消された芸能人は数多くいます。


ここでは後者の人間が「自分の目標を達成するために、自分の魅力を最大限引き出すためにしてきたこと」を、代表的な例として10個ほど挙げてみます。

1人でも多くの人が夢を叶えられることを祈って、記事をまとめさせていただきます。よろしければご覧下さい。



1.目標は「S.M.A.R.T」に

自分の可能性を理解している人は、客観的に目標を考えることが非常に上手です。
彼らは自分が何と戦っているのか、何と戦えばいいのか知っています。自分が成功するための近道を知っています。その知る術としてS.M.A.R.Tの考え方を使います。


S.M.A.R.Tは『明確(Specific)』『測定(Mesurable)』『達成(Attainable)』『関連(Rellevant)』『タイムリー(Timely)』の頭文字をとってつくられた造語です。


Specific
目標を明確にする。「今月はいっぱい痩せるぞー☆」ではダメです。「1ヶ月でマイナス5kg☆」などと明確に決めることが大切です。

Mesurable
目標の進捗状況を測定するための論理的なシステムが存在する必要がある。
例えば『1ヶ月でマイナス5kg☆』のような目標の場合は、「今日は500g痩せたぞ☆」のように、目標の進捗状況を測定するための論理的なシステムが存在するのでOKです。
「1ヶ月でめっちゃ痩せる☆」「10年後までにお金持ちになる☆」
のような、進捗状況の測定が不可能な目標は立てない。

Attainable
目標が達成可能でなければならない。
大切なことは「どのように目標を達成することができるか」
他人に説明することができない目標はたててはいけません。

Relevant
目標に関連づけた行動をとるようにする。
例えば「1ヶ月でマイナス5kg☆」というダイエッターが
”毎日朝7時から30分だけ町内清掃をする”
というのは具体的だし測定可能だし達成可能だし目標期日も決められている行動であるが、健美を求めるダイエッターの目標とは少しズレた行動。

Timely
目標に期日を決める。
期日を決めることであなたは目標達成を意識することができます。
もし原稿に締め切りが決まっていなければ、週刊誌や月刊誌は壊滅する恐れがあります。

1.効率の良い目標達成への段取り
2.達成するための手法
3.手法を実行するための時間の確保

上記3点を守れば大半の夢は叶います。
S.M.A.R.Tでは上記3点を自然と決めることができる優れた考え方の1つです。



2.決めたら即行動

非常に悲しい事ですが、大半の人は「僕/私の考えた最高の生活」というヴィジョンを描きますが、所詮そのヴィジョンは夢物語で終わってしまいます。そして夢は叶わないと風潮する有害生物に成り下がります。
彼らはなぜ夢が叶わなかったのでしょうか。それには単純な理由があります。

『彼らは行動に移さなかっただけです。』

夢を叶えるためには、あなたは自分自身の物語の主人公になる必要があります。

新しい何かにチャレンジをすることもなく、毎日同じルーチンワークをこなす街人A。常に同じ言葉を発する街人Aが夢を叶えられるほど現実世界は甘くありません。
叶えたい夢があるなら街人Aになるのではなく、ゲームの主人公のようにたくさんの人と出会い、様々な情報を聞き、あなたの目的を達成させるために行動に移してください。

ときには、運悪く凶悪な敵と出会ってしまいゲームオーバーになることもあると思います。ですがゲームオーバーになって目の前が真っ黒になっても悲嘆しないでください。
ゲームも現実世界もコンテニューに必要なモノは「やる気」だけです。あなたにやる気がある限り、あなたは何度でも挑戦することができます。



3.魔法の言葉「忙しい」は唱えない

「忙しい」
私たち日本人の大好きな言葉です。なぜなら「忙しい」と言葉にするだけで、私たちは様々な問題から逃れることができます。


忙しいと常日頃言っているあなたなら共感できると思いますが、「忙しい」と言っている人間の日常生活は決して忙しくありません。ただのメンタル的な問題です。


この「忙しい」は周りの人に「自分は働いてるんだぞ。ビジネスしてるんだよ。」とアピールをすることができる魔法の言葉です。この言葉の難点は、忙しいと自分で言葉にすることで本当に自分は忙しいと錯覚してしまうことです。


忙しくもないのにあなたが強引に忙しいというものですから、脳は混乱します。あなたの脳は「なんで忙しいんだろう」という疑問を解決しようと、あなたの日常生活の中から忙しい原因を探し始めます。そして適当な行動に目星をつけ、それを忙しい理由と判断し錯覚させます。会議やミーティング、友人との遊びやネットサーフィン。あなたは本当に忙しいのでしょうか。



4.冷静で、論理的な意思決定を心がける

私たち人間は頭に血がのぼっている状態で、まともな意思決定ができない生き物です。これらはカップルの喧嘩に多くみられます。喧嘩が原因で別れたけど、再度付き合い始めたカップルが多いのはこれが原因です。お互いが冷静な判断のもとで別れたのであれば再度付き合う確率は少ないでしょう。


最近、あなたの本心から全くかけ離れた意思決定をしたことはありませんか?
そのような判断を下すのは今日で終わりにしましょう。
残りの人生の様々な分岐点を、冷静に論理的に判断して決定することが目標達成への近道です。



5.物事をシンプルに捉え、保つ

『シンプルこそ究極の洗練である』―レオナルド・ダ・ヴィンチ―


私たちの生活は、無限の選択肢の上に成り立っています。
選択肢が多いことは非常に嬉しいのですが、多いことが原因で混乱することもあります。選択肢が多いせいで目的を見失うことさえあります。


マーケティングの研究によると、消費者が商品を購入する際、選択肢が3つほどあるとその中から選択することができます。
選択肢が無限にある中からだと人は選ぶことを放棄することが明らかになっています。


例:製品の比較サイト
複数個比較されている製品やサービスの中から自分にあったものを選びやすいよう理に適ったデザインになっています。
また、自分が気に入ったものをチェックして保存できるWebサービスは、後々保存したものを見返したときにその中から選択しやすいということになります。これは自分が興味を持ったものを複数個選んでいるので、非常に成約率の高い仕掛けになっています。


私たちの日常生活も行動の選択肢は無限にあります。無限にあるため、人間の本能・潜在意識が選択することを放棄します。このことについて「なんで僕/私は選択できないんだ!」非難することは滑稽ですが、夢追い人ならば対策をしなければなりません。


あなたが何か決定をする際、選択肢が無数にあるのであるならば、可能な限りその選択肢を外していく必要があります。
決定までのプロセスを短くすればその分だけ考える時間のムダも減ります。



6.物事を小さく分け、その小さいモノに焦点を当てる

『何ごとも、小さい仕事に分けてみれば、それをやり遂げるのが、特別に難しいということはない。』―ヘンリー・フォード―


哲学の問題に「どのように象を食べるのか」というものがあります。一度に一口で食べてしまうのでしょうか。それは非常に困難で、多くの人は挑戦すらしません。なぜなら、脳が「一度に象を一口で食べるのは無理」と判断を下すからです。


あなたが目標を達成させるために活動を始めたならば、まず最初にトラブルが起きた時にどのように対処するかの計画を練りましょう。
例えば「月にマイナス5kg☆」を目標とするならば、スイーツやスナック菓子を食べたくなったときにどう対処するか事前に計画が必要です。ダイエット中でも食べれるようなダイエット食品系のリストアップをしておくのも手でしょう。
一度に全ての問題を片付けることは難しくても、問題を断片化することで様々な対処方法が見えてきます。
また、問題の対処計画が練れていれば想定する問題を事前に回避することができます。


森を一人で作ることは大変かもしれませんが、一人でも木を植えることはできます。
物事は常に小さく砕いて考えましょう。
この考え方は「チャンクダウン」とも言います。コーチングの際によく使う手法でもあります。



7.進捗状況を常に把握し、追跡する

目標の期日は設定しても、自分が現在どこにいるかわからないと目標達成は困難でしょう。
自分の進捗状況を把握することは、目標を迅速に達成する上で必須項目です。
また、その達成したい目標が組織単位で行動している場合、組織内で進捗の共有が必要です。進捗がわからないとペースが早いのか遅いのか判断できず、万が一遅れている場合は致命的です。
進捗が遅れている場合、どうすれば加速するか考える機会を逃さないためにも進捗率は把握しましょう。



8.人生に対して前向きな見通しを持つ

たくさんの方々とお話をさせていただきましたが、常に前向きな考えを持っている人が成功者に見受けられます。
ですのであなたも成功したいなら、人生に対する前向きな見通しを持つ必要があります。

あなたが目標を達成するまでの長い道中、「人生」はあなたにたくさんの意地悪をするでしょう。あなたの心のなかに否定的な考えがある場合、あなたは様々な困難を乗りきれず挫折する恐れがあります。今あなたの目の前にある困難は、神様があなただけにプレゼントした「ミッション」かもしれません。目の前の困難をうまく飼いならすことができれば、あなたの成功への距離はぐっと縮まるでしょう。


困難を乗り越えるコツは「ポジティブに受け止めること」です。
例えば上司があなたに対して理不尽に怒るときもあると思います。
そのようなとき「ふぁっく!」と心のなかで叫んでいては解決もしませんし上司と対立し、その気持ちが行動にあらわれ、上司との距離が遠ざかり会社内コミュニケーションが悪化するだけです。
逆に「上司も言いたくて言ってるんじゃないんだよね。文句を言って注文つけるのが仕事だもんね。うんうん」とポジティブに受け止めることができればあなたと上司の距離はぐっと縮まります。それは営業先のお客様相手にも全く同じ事がいえます。



9.同じ志を持つ人と過ごす時間を増やす

成功者とはつねに一人の人が目立ちますが、その人は一人で成功したわけではありません。周りにはたくさんの「同じ志を持つ人」がいるはずです。


どんな人であれ、人生には波があります。うまく波乗りできているときは仕事も順風満帆で誰の力を借りる必要はありません。
しかし一度波に飲まれたとき、周りに助けてくれる人がいないとその人は人生という大海原の藻屑になってしまいます。同じ志を持つ仲の良い人が周りにいると、波に飲まれる前に助言をしてくれたり、波に飲まれたあとでも助けてくれる人がいます。
プロのアスリートにメンターやコーチがいるのは当たり前です。
ビジネスマンである私たちにもメンターやコーチがいるのが当たり前の世の中が来る日もそう遠くはないと思っています。



10.バランスの維持

目標を達成するために、切磋琢磨することは大変素晴らしいです。
ですが、周りが見えなくなり、目標を達成したときに周りを見渡したら多くのモノを見失っていた…なんてこともよくあるお話です。


・目標を達成する
・幸せをみつける
・家族との時間をすごす
・友達と遊ぶ
・収益を稼ぐ
・恋をする...etc


全部を完璧にこなせというお話ではありません。
ただ、後悔をしてからでは遅いのです。”目標を達成した不幸者”にならないためにもバランスを考えて行動しましょう。



編集後記

シュワルツネッガー氏の秘話

映画「ターミネーター」で知られる超有名なハリウッドアクションスターであり、カリフォルニア州知事でもあるアーノルド・シュワルツネッガー。そんな彼も、俳優になった当初は出演作がまったくあたらない三流俳優でした。2本目の映画も3本目の映画もまったく当たらなかったのです。


そんな時1人の新聞記者が、彼にインタビューをしました。
「あなたはいったい何を目指してるんですか?」
俺は「ハリウッドのドル箱スターになるんだ」
彼の答えにその新聞記者は思わず噴出してしまいました。
というのは筋肉隆々の彼は当時の映画スターとしては不恰好とされ、演技も下手だと言われ、人気が出るようになるととても思えなかったからです。あなたは3作やったけど、1本もあたっていない、それでスターを目指すなんて無理だと言いました。
しかしシュワルツネッガーの心は揺らぎませんでした。「いや俺はスターになるよ。簡単だって。だって俺はボディービルでチャンピオンになると決めて、イメージしてチャンピオンになったんだ。やり方は同じだよ。今は1000万ドルスターを目指して毎日努力してるんだ。毎日イメージしているから俺はスターになるんだよ。」


このインタビューの4年後、彼は1000万ドルスターになっていました。


その新聞記者は驚いてもう1度インタビューを申し込みました。自分が笑いとばした売れない俳優が、わずか4年で宣言通りトップスターになり、その新聞記者はというと、相変わらず新聞記者を続けていたからです。
シュワルツ・ネガーは答えました「言った通りだろ。俺はイメージして、信じて、努力したんだ。スターになって当然だよ。」