「攻めの農業---中国へ輸出」と称賛された社団法人が「政治利権」と農水官僚に足元を掬われるまでの顛末

2012年01月26日(木) 伊藤 博敏
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 おそらく農水官僚は、促進協議会が「鹿野派主導」となることを嫌った。こうした法人の代表に、大物農水官僚OBでなく、"一介"の政治家秘書が就き、しかも一時は次官経験者などに与えられる「農水省顧問」の肩書が与えられたことが許せない。

 要は、民主党政権になって頻繁に起こる「政治家VS霞が関」の対立構図が、農産物の対中輸出を巡って起きている。

 田中代表は困惑を隠さないが、事業の将来については心配していないという。

「代表の座に固執したわけじゃない。筒井先生に『準備期間だけでも』と言われて引き受けた。『輸出の可能性がないからサギ』というのだが、とんでもない話。劉会長からは、コメ輸出再開の明言をいただいているし、輸出の動きが再開すれば、会員集めも軌道に乗り、資金的な問題も解決する」

 政治家が前面に立てば、官僚に足元を掬われる。田中代表が最後に漏らした「虎の尾を踏んでしまった・・・」という言葉が印象的。姿を見せない「虎」が、さらに攻撃の手を緩めなければ、これ以上の大きな騒動に発展する可能性がある。

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