日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で役員改選の立候補を受け付けた。定員10人の理事(外部理事を除く)に史上最多の12人が届け出たため、2期連続の投票になることになった。また、投票が行われる30日の評議員会では、1968年に現行制度となって以来初めて立候補者が決意表明を行うことになった。各候補者はすでに票固めをしているため、選挙情勢に影響はないと思われるが、立候補者によるマニフェスト宣言で、今後の相撲協会への熱い思いが聞かれそうだ。投票は親方や立行司ら109人の評議員が行い、すぐに開票される。
予想通り、理事には12人が立候補。相撲協会の今後を思って手を挙げた親方衆ばかりだが、今回はその思いを評議員の前で披露する機会が初めて与えられる。
届け出と同時に立候補者が受け取ったのは、選挙管理委員会の武隈委員長(元関脇黒姫山)名で記されたプリント。そこには「立候補者による決意(意志)表明について」とあり、「役員候補者としての皆様の抱負、方針を以下、概要においてお話しいただきますようお願い申し上げます」と記されていた。時間は「2、3分程度」としてある。武隈親方は「聞きたいという声が大きいので、ぜひやりたいと思う」という。
すでに当確ラインの10票以上を得ているとされる貴乃花親方は無言だったが、立浪一門から立候補した3人のうちの1人で、現職の友綱親方(元関脇魁輝)は「オレは子どものときからこの社会しか知らないから、言葉もペラペラ言えない」としながらも「ここまで理事長が築き上げてきて、それをさらに一丸となって後戻りしないようにしていきたい」と話した。
初めて立候補した楯山親方(元関脇玉ノ富士)は「みんな、協会がよくなってほしいと思っている。オレらは通過点の点ですよ」。史上最多の12人が立候補した選挙で、それぞれが決意に満ちたマニフェスト宣言をする。 (岸本隆)
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