子どもたちにむかい、「カズ選手のように長くプレーしたい」と語るグランパスのDF田中隼(中央)=愛知県田原市の田原中部小学校で(木村尚公撮影)
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名古屋グランパスのDF田中隼磨(29)が26日、愛知県田原市の田原中部小学校で子どもたちと触れ合った。昨季はMF小川とともに全試合に出場した田中隼の究極の目標は、40歳を超えても現役を続けている三浦知良(横浜FC)。1月もオフ返上で自主トレを続けている鉄人が、“名古屋のカズ”を目指して走り続ける。
昨季チームトップの2966分間ピッチに立っていたタフガイには、確固たる理想像があった。イベント中に子どもたちから目標の選手を尋ねられると、田中隼は笑顔で答えた。
「44歳になってもサッカーをしているカズ選手。自分も少しでも長くやりたいと思っているから」。世界的な名手の名前を挙げるより、不惑を過ぎても現役にこだわるカズを目標に掲げた。
昨季はJ1で全34試合に出場、一昨季は累積警告による出場停止1試合を除く33試合でプレーした。運動量の多い右サイドバックというポジションを務めながらの“皆勤賞”だ。本来なら1カ月余りの短いオフは完全休養に充てても不思議ではないが、田中隼はそうした考えを否定する。
「体を休めるより、動かしながらつくっていく方がいい」ときっぱり。「(帰省先の)長野でも動いていました。松本は雪が少なかったしね。ランニングも、ボールを使ったトレーニングもしている」と明かした。この先10年、15年とプロであり続けようと思うからこそ、自らに課すハードルも高いのだ。
イベントが行われた田原の隣町の豊橋には父方の実家があり、折に触れて訪れているという。そんな“準地元”で子どもたちに囲まれ、「また来ていいかな」と再会を約束した。疲れ知らずの鉄人は、今季も頼りになりそうだ。 (木村尚公)
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