アントニオ猪木(右)から闘魂ビンタを注入される本紙、宮田剛記者。頼りない政治家の身代わりになった!?=26日午後、東京都港区新橋【フォト】
衆院は26日、代表質問を行い「消費税増税」をめぐる本格論戦がスタート。増税関連法案の提出や採決に向けた与野党の攻防が激化するのは確実の中、“日本評論家”のアントニオ猪木がそこに割って入った。2012年初の時事放談をサンケイスポーツで大展開だ。
「消費税増税? 今回ばかりはしようがないだろう。国民も一部の人は分かっているはず。まずは(東日本大震災の)復興財源が必要だ。野党が反対するのは構わないが、ほかにどこから財源を取るというのか。国民の痛みを平等にするには消費税しかない」
猪木は消費税増税に賛成の立場をとったが、一方では昨今、“ホンモノ”の政治家がいないことを嘆いた。
「いまは、本音を言うと袋だたきにあってしまう。マスコミが取り上げる有名議員は人気商売だから、国民にいいことばかりしか言わない。批判するのは簡単だからな。(批判を)覚悟の上で実行する辛口な人、そんな政治家が出現してほしい」
それは同時に、停滞する拉致問題にも向けられる。つまり北朝鮮との関係だ。昨年12月、金正日総書記が死去した際、日本が政府として弔意を示さなかったことにクビをひねった。
「北朝鮮は儒教の国。礼をつくせば、返ってくるはずだ。制裁を繰り返せば、北朝鮮が応えないのは当たり前。国交に一方的な勝ち負けはない。お互いを理解し、交渉を繰り返すことで、成功に導かれる。(民主党政権は)交渉するための、たった一歩も踏み出そうとしていない」
野田政権がしっかり舵をとることで歯車はかみ合う。それができなければ何事も進まない。
「あと10歳、オレが若ければ、もう一度、政界のリングに立ちたいんだけどな…」
それだけ、いまの政治家はだらしがない。ギラつく猪木の眼光はそう訴えていた。
(紙面から)