東京電力と原子力損害賠償支援機構が、電力の安定供給策として液化天然ガス(LNG)による火力発電を増強し、電源に占める割合を中長期的に5割超に引き上げる方針を固めたことが25日、分かった。3月には保有する原発17基すべてが停止し、再稼働も見込めない中、基幹電源構成を大幅に見直す。LNG調達も単独調達を改め、他の電力、ガス会社との共同調達を拡大する。共同調達で価格交渉力を高め、電気料金の抑制を狙う。いずれも3月に策定する総合特別事業計画に盛り込む。
東電の電源は福島第1原発事故前までは3割が原子力、4割をガス火力が占めていたが、原発の相次ぐ停止で、LNG火力のウエートが高まっている。石油に比べ、二酸化炭素の排出が少ないLNGは世界的に需要が拡大しているが、原発の位置づけが見通せない中で、東電としても中長期的な電源構成でLNG火力のウエートを引き上げる必要があると判断した。
ガス火力発電所の新増設では、高効率の新型タービンを採用し燃料を削減する一方、卸電力事業者(IPP)への発電委託や共同出資会社の立ち上げを推進。新設するガスパイプラインについては、東京ガスなどとの共同事業化も検討する。