我が国の協力により建設された、浮体構造型の低レベル液体放射性廃棄物処理施設。ロシア極東ボリショイカーメニ市の原潜解体工場内に係留され、解体作業の過程で生じる低レベル液体放射性廃棄物の処理を行っている。
処理能力は年間7000立方メートルで、現在極東に貯蔵されている液体放射性廃棄物(約5000立方メートル)に加え、将来極東において予想される原子力潜水艦の解体によって生じる液体放射性廃棄物(原潜1隻あたり約300立方メートル)を処理するために十分な能力を有している。
1993年、ロシア海軍が、国内での処理施設不足のため、解体された原子力潜水艦などから生じる液体放射性廃棄物を日本海に投棄したことが明らかとなり、大きな問題となった。この事態を受け、わが国はロシアに海洋投棄の中止を強く求めると共に、日本海の環境保全などの観点から、低レベル液体放射性廃棄物処理施設「すずらん」の供与を決定した。
「すずらん」は、日露非核化協力の最初の事業として、1996年に建設が開始され、1998年4月に完成した。その後、施設の稼働に必要なロシア国内の調整や試運転等を行い、2001年11月にロシア政府への引き渡し式が行われた。
低レベル液体放射性廃棄物処理施設「すずらん」
2007年12月、日露非核化協力委員会第34回総務会において、低レベル液体放射性廃棄物処理施設「すずらん」の事後評価を実施することが決定され、事後評価の結果、「すずらん」は供与の目的を達成していることが確認された(結果概要(PDF)
。日露非核化協力委員会技術事務局のウェブ・サイトにジャンプします)。
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