東京電力福島第一原発事故の警戒区域に許可なく立ち入ったとして、警察は、フランス人のフリーカメラマンや日本人のアルバイトの男など5人を、原子力災害対策特別措置法違反などの疑いで書類送検しました。警察が警戒区域の無断立ち入りに対して刑事責任を問うのは初めてです。
書類送検されたのは、フランス人の31歳のフリーカメラマンや、静岡県の23歳のアルバイトの男など5人です。5人はそれぞれ、去年11月から今月にかけて、立ち入りが制限されている福島第一原発から半径20キロ圏内の警戒区域にある福島県楢葉町や南相馬市小高区などに許可なく立ち入ったとして、原子力災害対策特別措置法と災害対策基本法に違反した疑いが持たれています。福島県の双葉警察署によりますと、このうちフランス人のフリーカメラマンは、警戒区域内の様子を撮影するために、今月3日、偽造した通行証を検問の警察官に示して立ち入ったということです。警察は、警戒区域の無断立ち入りに対して、これまで注意するなどの対応を取ってきましたが、刑事責任を問うのは今回が初めてです。双葉警察署は「帰りたくても帰れない住民がいるなか、悪質と判断した。今後、パトロールを強化していきたい」と話しています。