道頓堀川をプールに--。大阪府の松井一郎知事は25日の記者会見で、2015年の道頓堀完成400周年に合わせて、長さ2キロのプールを整備し、「世界遠泳大会」の開催を検討する考えを明らかにした。会見に先立つ同日の府市統合本部の会合で、特別顧問の堺屋太一・元経済企画庁長官はプールを有料化し、収入を得るアイデアも披露した。
堺屋氏は会合で、大阪の「10大名物づくり」の一つとして提案した。
道頓堀川を管理する大阪市は噴水を整備して水中の酸素量を増やしたり、専用船で毎日、水面清掃を行ったりするなどの水質改善策に取り組んでいる。松井知事は会見で「道頓堀の管理権は府にはなく、大阪市にあるが、プール(の整備)はやりたい」と語った。ただ、道頓堀川の場合、遊泳場の可否基準となるCOD(化学的酸素要求量)は基準を満たすものの、大腸菌数は高い時で基準の約700倍もある。
道頓堀川では01年にも、街おこし団体が04年夏の水泳大会開催を目指し、河川美化などの活動を行ったが、実現には至っていない。
道頓堀川沿いを散策していた人の反応はさまざま。台湾から4泊5日で旅行に訪れた男性の翁正聲さん(36)は「グッドアイデア。もし泳げるならぜひ泳ぎたい」と歓迎する。大阪市に住むフリーターの青木藍美さん(21)は「絶対無理。きれいにならないだろうし、入りたくない。泳ぐなら須磨海岸(神戸市須磨区)に行く」と話した。【堀文彦】
(1)道頓堀川に2キロのプールをつくり、「世界遠泳大会」を開催
(2)15年ごろに「大阪都発都記念大博覧会」を開催、シンボルとして大阪城公園と天満公園を結ぶ大歩道橋をつくる
(3)御堂筋の美術デザインストリート化
(4)大阪市内か堺市に1万平方メートルの映像「ヘクタール・ビジョン」をつくり、CMなどを上映
(5)近鉄阿倍野タワーに「驚愕(きょうがく)展望台」の設置を依頼
(6)JR大阪駅大屋根下に「空中カフェ」を再開
(7)北ヤード2期工事に高層マンションと空中緑地を実現
(8)北ヤード1期の「ナレッジキャピタル」を世界的名物になるよう改善
(9)咲洲または南港にエレクトロ・ゲーム・センターをつくる
(10)関空と舞洲を一体開発、「国際特区」にする
毎日新聞 2012年1月25日 22時36分(最終更新 1月25日 23時45分)