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汚染焼却灰「記念品だ」 福島・塙町長が東電に手渡す

ドクロマークの容器に入れた汚染灰を持って交渉に臨む菊池町長=25日、東京都千代田区の東電本店

 福島県塙町の菊池基文町長は25日、東京電力本店(東京)を訪ね、白河、会津地方の自主避難者も福島第1原発事故の損害賠償の対象に入れるよう求めた。高い放射線量が出て処理できない汚泥の焼却灰を持参し、「福島を分断することは許されない」と訴えた。
 菊池町長は灰をドクロマークの紙を張った容器に入れ、交渉に臨んだ。「この灰は捨てる場所がなく、成仏できない。花咲かじいさんは木に灰をまいて花を咲かせたが、この灰は人を滅ぼす。白河、会津地方は蚊帳の外に置かれたが、われわれはこんな恐ろしい灰とともに生活している」と述べた。
 東電の西沢俊夫社長は「誠心誠意対応する」と答えた。菊池町長は交渉後、皮肉交じりに「記念品だ」と言い、灰の容器を東電の役員に渡した。
 灰は塙町など西白河郡の4町村でつくる衛生組合のし尿処理場の廃棄物。1キロ当たり8000ベクレルの線量が検出され、約3トンが行き場を失って処理場の車庫に保管されている。
 菊池町長は白河、会津地方の26市町村長で構成する原子力損害賠償対策本部の一員として参加した。本部は国の原子力損害賠償紛争審査会の指針が白河、会津地方の自主避難者を損害賠償の対象から外したことに異を唱え、指針が賠償の対象とした浜通り地方などの23市町村の住民と同様に賠償するよう要求した。


2012年01月26日木曜日


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