中国・四川省のチベット族が多く住む地域で、23日、警察との衝突で住民1人が死亡したのに続いて、24日も住民の抗議デモに対して警察が発砲して1人が死亡するなど、緊迫した情勢が続いています。
中国国営の新華社通信によりますと、24日午後、四川省にあるカンゼ・チベット族自治州の色達県で、住民が警察の派出所を襲撃し、この際、警察が発砲して1人が死亡したということです。この事件に関して、インドのダラムサラにあるチベット亡命政府は、現地からの情報として、住民が中国政府の宗教活動への弾圧などに抗議して平和的なデモを行ったところ、警察が発砲したものだと主張しています。このチベット族自治州では、23日にも、別の県で住民が警察と衝突して住民1人が死亡したと新華社通信が伝えており、緊迫した情勢が続いています。一方、チベット自治区の中心都市ラサでは、地元政府の建物に毛沢東主席や胡錦涛国家主席ら歴代指導者の巨大な肖像写真が掲げられたほか、自治区の一般家庭や寺院に、中国の国旗や指導者のポスター合わせて100万枚が配られたということです。中国政府がこうした動きを進めているのは、チベット族の人たちに愛国心を持つよう圧力をかけ、宗教問題などを巡る不満を抑えこもうというねらいがあるとみられます。