木嶋被告弁護側、寺田さん殺害否認「自殺の疑いある」…３人不審死裁判

　練炭自殺に見せかけ交際相手の男性３人を殺害したとして殺人罪などに問われた木嶋佳苗被告（３７）の裁判員裁判第９回公判が２４日、さいたま地裁（大熊一之裁判長）で行われたが、雪による交通機関の乱れから、開廷時間が午前１０時から午後１時まで約３時間繰り下げられた。地裁によると、裁判員と補充裁判員１２人のうち１人の到着が遅れたためという。

　公判ではこの日から、０９年１月に東京都青梅市の自宅マンションで死亡した寺田隆夫さん（当時５３歳）の事件についての審理を開始。検察側は木嶋被告が寺田さんを睡眠薬を使って眠らせ、練炭を燃やし、一酸化炭素中毒で死亡させたと主張。木嶋被告が学費の支払いがあるなどとウソをつき、寺田さんから約１８５０万円を受け取ったとした。

　２人の交際状況を裏付けるため、寺田さんの姉が証人として出廷。姉は０９年１月中旬から下旬頃、寺田さん宅で同居を予定していた木嶋被告のために、所持していた寺田さん宅の合鍵２本のうち１本を「寺田さん本人に渡した」と証言。検察側は寺田さんが殺害されたとする同３０日に、木嶋被告は寺田さん宅で自分で注文した練炭とコンロ入りの宅配便を受け取り、殺害に使用したとしている。

　一方、弁護側は「寺田さんは自殺の疑いがある」と殺害を否認した。０９年１月３０日、木嶋被告は寺田さん宅を訪問したが、仕事で不在だった。合鍵を持っていない木嶋被告は、寺田さん宅の玄関前で練炭ではなく、調理器具などが入った宅配便を受け取ったと主張。その後、寺田さんの帰宅を待って一緒に部屋に入ったが、結婚話を巡ってケンカになり、寺田さんは自殺したとしている。木嶋被告が宅配便を受け取った場所について、検察側は「寺田さん宅で受け取った」、弁護側は「玄関前で受け取った」と食い違いが生じており、姉が寺田さんに渡したとする合鍵の行方が新たな争点として浮上した。

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