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100日法廷:首都圏連続不審死事件 自宅火災報知機なくなる 逮捕時同居の男性が証言、「殺すつもり?」疑念 /埼玉

 首都圏連続不審死事件で、殺人罪などに問われている木嶋佳苗被告(37)の裁判員裁判の第8回公判が23日、さいたま地裁(大熊一之裁判長)であった。逮捕前の約1週間、千葉県内で被告と同居していた男性が証人出廷し「逮捕後に火災報知機が自宅から全部なくなっていることに気付いた。自分を火か何かで、殺すつもりだったのか」と証言した。

 検察側によると、男性は09年9月15日に木嶋被告と結婚サイトで知り合い、同25日に被告が詐欺容疑で逮捕されるまでの約1週間、男性宅で同居していた。男性は「家庭的な人と結婚できると思ってうれしい気持ちでいっぱいだった」と証言する一方、出会ってすぐに金を要求した木嶋被告を信用した理由を「介護していた母親が他界して独りぼっちになり寂しかった」と振り返った。

 男性は、家賃や菓子教室の道具などの名目で計464万円を木嶋被告に渡したと証言し「結婚費用よりは安いかなと思った」と当時の心境を語った。同居2日目に警察から「木嶋被告が悪いことをしている」と事情を聴かれたが、木嶋被告の「事件に巻き込まれただけ」との言葉を信じ、不信感を抱いたことはなかったという。弁護側の質問には「家計簿をしっかりつけてお金をためよう、と話していた」と証言した。

 木嶋被告が逮捕された数日後、自宅の火災報知機7個が取り外されていることに気付き「被告が外したと思った」と証言。練炭自殺を装った連続殺人事件に被告が関与した疑いを報道で知り、理由を確かめるために接見に行ったが会えなかったという。弁護側は、報知機が取り外されたことに気づいた時期やなくなった個数について質問を繰り返した。

 また、地裁によると、同日午後の審理中、一般傍聴者の1人が携帯電話で法廷内を撮影したという。警備員が気付き注意し、休廷中に裁判所職員が携帯電話を確認したが、画像が保存されていなかったため、そのまま傍聴を認めたという。刑事訴訟規則は、公判廷での撮影には裁判所の許可が必要としている。傍聴席と証人男性や木嶋被告との間にはついたてが置かれ、2人の姿は見えていなかった。【飼手勇介、平川昌範】

毎日新聞 2012年1月24日 地方版

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