米Texas Instrumentsは、同社のモバイル向けSoC”OMAP”シリーズの次世代モデル「OMAP 5」のリファレンスデザインをCES 2012で披露した。OMAP 5は、2GHzデュアルコアARM Cortex A15 CPU、デュアルコアPowerVR SGX544MP GPU、ARM Cortex M4×2を搭載したSoCだ。
OMAP 5シリーズの製造プロセスは28nm、2基のARM Cortex A15 MPCoreを搭載し、クロック周波数は最大2GHzだとされる。
GPUはPOWER VR SGX544-MPx(2コア~165コアまで対応)を搭載。
前世代のARM Cortex A9 MPCoreを採用するOMAP 4シリーズと比較した場合3倍の処理性能、5倍の3Dグラフィック性能、平均60%消費電力を削減できるとされている。(GPUはNGPより上位のものか)
OMAP 5シリーズに搭載されているARM Cortex A15 MPCoreの性能は、
ARM Cortex A9 MPCoreと同一クロック周波数の場合50%以上とされており、ARM Cortex M4プロセッサを2基搭載したことでARM Cortex A15の処理をオフロードでき、端末の応答性能低下を抑えることができるという。
つまりはプチフリーズのような症状が減るという事か。
今回披露されたSoCは、Android 4.0.1のリファレンスデザインで、CPUクロックを800MHz程度に抑えていたそうだが、
それでも1.5GHz駆動のCoretex A9と性能で同程度だという。
解像度1,280×800(WXGA)のディスプレイを搭載し、GPUクロックは300MHz未満だったそうだが、OpenGL|ES 2.0性能を測るベンチマークソフトNenamark 2では平均フレームレート64fpsをたたき出した。(リフレッシュレート制限がなければ130fps出すことも可能)
クアッドコアである、Tegra3等や、IntelのAtomシリーズとの比較も気になるところ。
CES2012でのOMAP5デモ。
Galaxy S2のNenamark性能。43.9fps。
OMAP5について。
OMAP 5シリーズの主な特徴
- 仮想化をハードウェア的にサポート
- ビデオ、イメージング、ビジョン、DSP、2D/3Dグラフィック、ディスプレイ、セキュリティに特化した専用エンジン搭載
- 近距離/遠距離、フルボディ、マルチボディのジェスチャー認識(接近の感知を含む)対応
- TI DLP picoプロジェクタ、カメラの連動に対応。
- 1080P フルHDでのS3D(stereoscopic 3D)動画の撮影や再生、2D→S3D(1080p フルHD)のリアルタイム変換
- HDMIA 1.43aをサポート(S3D映像をテレビに出力可能)
- QSXGA(解像度2560×2048ピクセル)のディスプレイを3台までサポート
- 最大4台のカメラの並列操作をサポート
- 8GBまでのRAMをサポート(ダイナミックメモリアクセス対応)
- USB3.0 OTG、SATA2.0、SDXCカードサポート
OMAP5シリーズは既にサンプル出荷(2011年末)されており、2012年下半期までに製品として市場に投入される見込みである。
OMAP 5430は主にスマートフォン向けとされており、。LPDDR2メモリをサポートする。OMAP 5432は主にMID向けで、DDR3/LPDDR3Lのメモリをサポート。
スペックが上がり過ぎていて何が何だかわからなくなるが、ディスプレイ解像度があがることで、今よりも情報表示力の向上したスマートフォンやタブレットが登場することに期待したい。
またUSB3.0やSDXCカードなど、サポートしてもらいたかった最新インターフェイスに対応する点も魅力である。
ソース:OMAP™ Applications Processors – OMAP™ 5 Platform
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