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田中防衛相:問題発言続出、野党の標的に 任命責任追及も

衆院本会議で玄葉光一郎外相の演説を聞く田中直紀防衛相=国会内で2012年1月24日午後2時4分、藤井太郎撮影
衆院本会議で玄葉光一郎外相の演説を聞く田中直紀防衛相=国会内で2012年1月24日午後2時4分、藤井太郎撮影

 24日開会した通常国会では、問題発言の相次ぐ田中直紀防衛相が野党の攻撃の的になるのは確実だ。国会開会直前の23日には沖縄県を訪問したが、米軍普天間飛行場のヘリが「多くない」との発言で再び批判を浴び、野党側は田中氏の資質問題と野田佳彦首相の任命責任を追及する構え。一川保夫前防衛相も「安全保障は素人」発言などを理由に参院で問責決議を可決された経緯があり、防衛相は2代続けて野田政権のアキレスけんになりつつある。

 田中氏は23日に普天間飛行場を視察した際、隣接する小学校上空を飛ぶヘリが「そんなに多いわけじゃない」と発言。24日の記者会見では「最優先で(教育)環境を改善する使命感を持っている。私の真意は分かっていただけると思う」と釈明し、米軍ヘリによる騒音や事故の危険性の問題改善に取り組む考えを強調した。藤村修官房長官も会見で「普天間飛行場の危険性を軽視しているとの指摘は全く当たらない」と田中氏を擁護した。

 しかし、田中氏は就任直後も、普天間飛行場移設問題で「年内着工」に言及して沖縄の反発を招くなど、問題発言で失点を重ねている。野党側は田中氏に対して安全保障問題の知識・経験が乏しい「素人」との批判を強めており、自衛隊の基地がある硫黄島(東京都)が沖縄県に属していると誤った発言も資質を疑問視する見方に拍車をかけた。

 自民党の石原伸晃幹事長は24日の記者会見で「資質がなさそうというのは分かってきた」として通常国会で追及する考えを表明。公明党の山口那津男代表は同党の両院議員総会で「こういう言動がこれ以上続けば、任命責任までも問わなければならない時が来るかもしれない」と首相の任命責任に言及した。【朝日弘行】

毎日新聞 2012年1月24日 22時40分(最終更新 1月24日 23時34分)

 

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