大阪で生まれた伝統芸能で世界無形遺産の人形浄瑠璃「文楽」の竹本住大夫さんら人間国宝6人は16日、「行政改革問題と文化問題をないまぜにしてはならない」と連名で訴えた異例の声明書を、在阪のマスコミ各社あてに送付した。橋下徹・大阪市長が文化団体に対する補助金見直しを表明したことを受けた行動。
声明書では「文楽は観劇料金を低く抑えている」などと苦しい現状を説明。文楽協会が国や大阪府市から補助金を受けていることを挙げ、技芸員全員の声として「大阪で生まれ育った文楽の灯は決して消してはいけない」と訴えている。他の人間国宝は、竹本源大夫さん▽鶴沢寛治さん▽鶴沢清治さん▽吉田簑助さん▽吉田文雀さん。【宮辻政夫】
毎日新聞 2012年1月17日 地方版