Yahoo!ニュース
ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]



ここから本文です
[PR] 女子生態図鑑30代バツイチ美女/あどけなさ残る大人ボディー

再生エネルギーの「黒船」来襲 全量買い取りで攻防激化

産経新聞 1月9日(月)12時23分配信

再生エネルギーの「黒船」来襲 全量買い取りで攻防激化
拡大写真
鹿島アントラーズの練習グラウンドから見える風力発電機=茨城県鹿嶋市(写真:産経新聞)
 【業界展望2012】太陽光や風力などで電気をつくる再生可能エネルギーをめぐり、機器メーカーの陣取り合戦が激しくなりそうだ。太陽光などの電気を固定価格で買い取る制度が7月から始まり、国内の機器需要の拡大が見込まれているが、これを機に海外勢が本格的に攻め込んでくるためだ。「黒船」は1〜2割割安な価格競争力をテコに浸透を目指す。迎え撃つ国内勢は高い発電効率や、海外生産などのコストダウンで対抗する構えだ。生き残りをかけた戦いのゴングが鳴った。

 2011年12月5日。千葉市の幕張メッセで開かれた太陽光発電の見本市「PVジャパン」の会場では、海外の太陽光発電メーカーのブースが例年以上に大きなスペースを占めた。その中でもひときわ目立ったのが、太陽電池で世界3位の中国サンテックパワー。同社は、2012年に日本での販売を2倍に引き上げる計画を打ち出しており、これまで中心だった家庭用だけでなく、産業用のパネルも展示。猛烈に売り込み攻勢をかける構えだ。

 カナダのカナディアン・ソーラーは、12年に日本での販売を11年に比べ4倍の15万キロワットまで増やす計画で、独Qセルズも販売を3倍に伸ばす方針。

 新規参入の動きも急ピッチだ。中国LDKソーラーは、今春にも日本市場に参入。ノルウェーのリニューアブル・エナジー・コーポレーション(REC)は昨年12月、愛媛県に1メガワットの太陽電池を供給し、国内市場に本格参入した。同社幹部は「日本勢より1〜2割安く提供することで、日本でのシェア拡大を拡大したい」と意気込む。

 資源エネルギー庁の調べによると、09年時点の日本の太陽光発電の導入量は累計262万キロワット。世界全体の導入量の13%にあたり、ドイツ(48%)、スペイン(17%)に続き世界3位の規模。

 日本の販売価格は1キロワット当たり17万円程度と、値崩れした欧州に比べ5割程度も割高な状況にあるが、7月の全量買い取り制度で市場拡大は確実。現在、日本市場は家庭用では京セラやシャープなど国内ブランドが独占しているが「円高をテコにした価格攻勢で食い込む余地は十分にある」(海外メーカー幹部)とみているわけだ。

 一方、国内各社は売り上げの平均6割程度を国内で稼ぎ出しており「国内でのシェア確保は太陽光発電システム事業を継続するための生命線」(アナリスト)。負けるわけにはいかない。

 「コストの低い地域で生産し競争力を高める」と話すのはパナソニックの伊藤正人役員。同社はマレーシア北西部、ケダ州の工業団地に太陽電池の新工場を建設する。子会社の三洋電機が開発した、太陽光をエネルギーに換える効率が世界最高水準の「HIT太陽電池」のセルからパネル組み立てまでを一貫して行う。同社は技術流出を防ぐため、これまで国内のセル生産にこだわり続けたが、中国勢などとの価格競争に勝ち抜くには海外生産が欠かせないと判断。これにより、コストは1割以上安くなると見込む。

 もう1つの対抗手段が効率を高めること。効率が高ければ初期費用は高くても国産品の優位性が保てるとみているためだ。東芝は変換効率19.3%と世界最高レベルの単結晶型太陽電池を製品化。シャープも変換効率が約37%と世界最高の化合物型太陽電池の事業化を目指す。

 一方、太陽光発電と並ぶ再生可能エネルギーの柱である風力発電分野も、国内外メーカーの競争激化という構図は同じだ。04年に日本から撤退したシーメンスが11年10月に風力発電機に再参入した。同社が国内でターゲットとするのは出力3000キロワットと現在、国内で主流の1000〜2000キロワットに比べ大型のタイプ。これを国内勢より割安な価格で売り込む。

 これに対し、日本勢は増産や周辺サービスの強化などで海外勢に対抗する。日立製作所は、40億円を投じて茨城県日立市の工場内に発電機を生産する新棟を建設。13年までに生産能力を現状比1.7倍の年2400台に引き上げ、コストを引き下げる。三井造船は、国内で36台を受注した実績を持つが、今後は建設に加え、整備など保守サービス分野に傾注する。

 こうした企業ごとの対抗策とは別に、日本勢が期待をかけているのが、国内で20以上のプロジェクトが予定されるスマートシティー。スマートシティーは「再生可能エネルギーと切っても切れない関係にある」(佐々木則夫東芝社長)ためだ。スマートシティーは再生可能エネルギー自体の効率の高さなど品質面が重視される。さらに省エネの家電などとセットで提案すれば、海外勢にまねができない競争力が生み出せるとみている。

 ただ「円高で海外勢の価格優位性が揺るがない。決め手を見つけ出すのは容易ではない」(アナリスト)との指摘もあり、先行きは予断を許さない。(今井裕治)

【関連記事】
風力発電、被災地復興の“追い風”期待
「温泉発電」新潟・松之山温泉で試験開始
2050年に「原発ゼロ」 寿命40年、新増設も困難
迫る電力危機…政府、今夏にも原発政策見直し
Jヴィレッジ 変わり果てた世界最高の芝
オウム・平田容疑者出頭 なぜ今

最終更新:1月9日(月)12時23分

産経新聞

 

関連トピックス

主なニュースサイトで 再生可能エネルギー買取制度 の記事を読む

PR

carview愛車無料査定
PR
ブログパーツ

経済トピックス

注目の情報


PR

注目の商品・サービス

PR