「脱原発」を求める市民団体らが東京・霞が関にある経済産業省の玄関脇の国有地にテントを張り、4カ月以上にわたって署名集めなどをしている。ぼや騒ぎなどもあり、枝野幸男経産相は24日の記者会見で自主的な立ち退きを求めた。
団体は「経産省前テントひろば」で、昨年9月11日にテントを設置した。メンバーが交代で寝泊まりしながら脱原発や福島県民への補償を訴え、約1万5千人の署名を集めたという。
経産省は口頭で退去を求めてきたが、強制的な排除には踏み切っていない。しかし、昨年末にガソリン式発電機でぼや騒ぎが起きたのを受け、枝野氏は24日の会見で「主張や活動内容はともかく、火気の使用など危険な行為は放置できない」と話し、経産省は初めて文書で退去を求めた。
一方で、枝野氏は「原発については国民の様々な意見がある」とも言い、「(退去要請は)苦渋の判断だ」と述べた。18日に経産省であった原発再稼働の意見聴取会では、脱原発を訴える市民らが会議室を占拠した。この時も枝野氏は「心情的には原発の再稼働は限りなく慎重にという主張にかなり近い」と語っていた。(福山崇)