宗教活動などを巡る中国政府の弾圧に抗議するチベット族の焼身自殺が相次いでいる中国の内陸部で23日、警察との衝突で住民1人が死亡し、チベット亡命政府は、チベット族のデモに対して警察が無差別に発砲したものだと非難しています。
国営の新華社通信によりますと、23日午後、チベット族が多く住む四川省のカンゼ・チベット族自治州炉霍県で、僧侶を含む数十人の住民が抗議デモを行い、その後、棒や石を手に警察の派出所を襲撃したということで、警察との衝突で住民1人が死亡したということです。この地域では、去年から宗教活動などを巡る中国政府の弾圧に抗議するとして、僧侶などの焼身自殺が相次いでいますが、新華社通信は、僧侶による焼身自殺が再び起きたといううわさを信じ込んだ住民が、抗議デモを始めたと伝えています。一方で、インドのダラムサラにあるチベット亡命政府はこのデモについて声明を出し、「現地からの情報によると、デモは、チベットの自由やダライ・ラマ14世の帰還を求め平和的に行われていたが、警察が無差別に発砲し男性1人が死亡したほか、大勢の住民がけがをした」として、中国政府の対応を非難しています。