IAEA=国際原子力機関が、核の軍事利用の疑いが持たれている実験などを検証するため、イラン国内に調査団を派遣することについて、アメリカ国務省の高官は、イラン側に全面的な協力を求めるとともに、1回かぎりの調査では不十分だという認識を示しました。
IAEAは、去年11月にまとめた報告書で、イランが行った高性能爆薬の実験について、核兵器を起爆させるための実験を行った疑いがあると指摘しており、今月29日から査察の担当者などで構成する調査団をテヘランに派遣してイラン側と協議を行い、この実験についての検証を進めたい考えです。これについて、アメリカ国務省のヌーランド報道官は23日、記者会見し、イランに対し全面的な協力を求めたうえで、「今回の調査だけで完全かつ中身のある協力と透明性を確保するのは難しい」と述べ、1回かぎりの調査を認めるだけでは不十分だという認識を示しました。さらに「今後IAEAが必要のある施設への立ち入りが認められるかや、情報を得られるかどうかを見極める必要がある」と述べ、イラン政府に対し、今後、核兵器の開発にも転用できるウラン濃縮活動を巡って、国際社会が求めている情報を提供していくよう改めて求めました。