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【福島原発事故】

福島第一汚染水問題 セシウム以外も除去

 東京電力は二十三日、福島第一原発で発生する高濃度汚染水から、ほぼすべての種類の放射性物質を除去できる設備を今年秋ごろまでに設置すると発表した。現在の処理設備では主にセシウムしか除去できないが、新たな設備が稼働すれば、骨に蓄積する危険性が指摘されているストロンチウムなども除去できるようになる。

 法令で濃度限度が定められているほぼすべての放射性物質の濃度が、濃度限度を大幅に下回るようにする。基礎試験で除去できることが確認されており、二月から設計を、三月から工事を始める。

 ただ、トリチウム(三重水素)だけは、水の一部となって存在するため除去が難しい。現状では、濃度限度の五十倍以上が残る可能性がある。トリチウムは夜光塗料などに使われる物質で、体内に取り込むと造血機能に影響する恐れがあるが、取り込まない限り心配ないとされる。

 処理量は、高濃度汚染水の発生ペースを上回る毎時二十トン以上を目指す。発生する廃棄物は直径二メートル、高さ二メートルの円筒形の容器に保管する。一日あたり容器一・五本分の廃棄物が発生する見通しで、敷地内に約二万三千平方メートルの保管場所の造成を予定している。

 また、海底にたまった放射性物質の拡散を防ぐため、1〜4号機側と5〜6号機側それぞれの取水口の前面計約七万三千平方メートルを、吸着性のある粘土にセメントや水を混ぜた「固化土」で覆う計画も明らかにした。作業は二月上旬から四月に行う予定。

 

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