志木市立市民病院(同市上宗岡)の小児科入院医療休止問題で、同市は23日、入院を休止すれば同時に、軽症小児向けの夜間救急診療も中止となるとの見通しを示した。長沼明市長は、4月以降も入院医療を続けられるかを定例市議会が開会する2月22日までに決断すると表明した。
同病院は平日午後8~10時と土曜午後7~9時に、朝霞地区医師会の開業医を招くなどして小児の夜間診療をし、年約1700人の患者が訪れている。この際、院内には同病院小児科の当直医がおり必要なら応援する。入院休止となれば応援体制もなくなり夜間診療は中止になるという。
一方、市は同日、市議会全員協議会に小児科問題を報告。4月以降も小児科常勤医3人を確保し入院医療を続ける場合と、常勤医ゼロで入院休止の場合について来年度予算案を公表した。入院継続なら病院は2億200万円の赤字。休止なら、現在は1日平均約30人の成人入院患者を同50人に増やしても、3億円の赤字となる。入院休止で収入が急減し一方で病院全体の経費はすぐ減らないためこうした結果になるという。
協議会では「市長は昨年8月、小児科医の清水久司病院事業管理者に管理者打ち切りを伝えた際に常勤医として残るよう慰留すべきだった」と指摘が出た。長沼市長は「深く反省している」と陳謝した。【高木昭午】
毎日新聞 2012年1月24日 地方版