景観計画の区域
良好な景観の形成に関する方針
1 景観形成の基本目標
(1) 景観形成の方向
大阪は、瀬戸内海に臨み、淀川の河口に開けたまちで、その地形を生かしたまちづくりにより今日まで発展してきた。古くは、「難波津」や「難波宮」が置かれ、近世以降、市街地の整備や新田の開発、河川の浚渫や運河の開削などが進み、水運を生かして経済の繁栄と文化の蓄積が図られてきた。近代以降も、洪水や高潮の防御、都市計画などに基づく道路、鉄道、港湾、公園の整備、都市の緑化、建築物等やまちなみの整備など、多くの分野で市民、事業者と行政が一体となったまちづくりが進められてきた。
この過程で、港や堀川の水辺、公園・緑地や道路、歴史的建造物や現代建築、地域固有の歴史性や文化性が現れた特色ある市街地など、多様な景観上の資産が数多く築かれている。
これからの景観形成は、このような大阪市の景観特性を引き出し、発展させ、また新しい景観上の資産を創ることにより、その美しさや魅力を一層高めていくことが重要である。また、大阪市の景観形成や景観特性に関する情報を広く内外に発信し、多数の人々が交流するまちづくりに資する必要がある。
(2) 景観形成の基本目標
大阪市は、市域のほぼ全域が市街化され、都市の諸活動が高密度で行われており、魅力ある都市景観の形成は、まちづくりの長期的な目標のもとに、総合的な都市政策の一環として、計画的に推進していくことが重要である。
また、水や花・緑など自然の要素を生かし、大阪の歴史的・文化的資源を活用し、さらにまちなみなどの魅力を高め、都市全体に調和のとれたアメニティ豊かな空間を積極的に創造する必要がある。
このような観点から、大阪市に暮らし、働く人々にとって住み心地がよく、豊かな生活を楽しめるまち、大阪市を訪れる人々がその自然や歴史、文化に触れ、大都市の魅力を楽しめるまちをめざして、「アメニティと美しさに満ちた大阪らしい都市景観をつくる」ことを景観形成の基本的な目標とする。
2 景観形成の基本方針
1に示す基本的な目標を実現するため、市民が暮らし、多くの人々が働く市街地の景観形成を積極的に進める「市域の景観の向上」とあわせて、大阪市の多様な特性を生かした景観の骨格をつくる「地域の特性を生かした都市景観の形成」を進める。
(1) 市域の景観の向上
市街地の景観は、それぞれの地域の自然や歴史を背景に、建築物等と道路・公園などの公共施設が組み合わさって形成されている。
市域の景観の向上のため、市民、事業者、NPO等及び行政が相互に連携・協力して、建築物等や道路・公園等の公共施設のデザインの水準を高め、また他の施設や地域との関係に配慮して整備することにより、市民が親しみや愛着をもてる都市景観の形成に努める。
1. 建築物等
建築物の建築などに際しては、調和のとれた魅力ある景観を形成するよう努めるとともに、屋外広告物などは建築物や景観との調和に配慮する。
2. 公共施設
道路・公園等の公共施設の整備に際しては、関係行政機関が連携して、地域における調和のとれた景観の形成や向上に資するよう努める。
(2) 地域の特性を生かした都市景観の形成
大阪市の地形やまちづくりで築いた資源を生かし、景観を特徴づける景観ゾーン・景観拠点・景観軸の整備を進めることにより、大阪らしい景観と景観の骨格を形成する。
1. 景観ゾーン
大阪市には、都心、大川・中之島、上町台地、臨海部などの特性を持つ地域が広がっていることから、多様な地域の特性を景観形成に生かす。
2. 景観拠点
大阪市には多くの文化財や歴史的まちなみ、ターミナルや繁華街、公園や緑地があることから、これらの整備を進め、地域の個性や特徴ある景観づくりの拠点とする。
3. 景観軸
大阪市の特徴である河川や海岸線、道路や鉄道を景観の軸として整備するとともに、地域の特性を生かした緑化を進め、緑豊かな軸を形成する。
3 景観形成施策の方向
2に示す基本方針の実現を図るため、次の観点から具体的な施策を実施する。
(1) 景観計画の充実
今後、地域の特性や市民等の主体的な景観形成の取り組みなどを反映していくよう、景観計画の区域を区分してきめ細かな景観形成の基準を定めるなど、景観計画の充実や詳細化を図る。
(2) 建築物等の誘導による良好な景観形成
都市景観の大きな要素である建築物等について、良好な景観の形成のために必要な行為の制限を行うなど、適切に協議・誘導を行うとともに、公共施設の整備に際しては地域における調和のとれた景観の形成や向上を先導するよう努める。
(3) 景観上重要な建造物や樹木などの保全と活用
地域の景観上重要な建造物や樹木などについては、地域の特徴的な景観の核として保全・継承を図るとともに、その情報の発信に努める。
(4) 市民・事業者・NPO等との連携・協働
良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項
景観重要建造物・樹木の指定の方針
1 景観重要建造物
1. 歴史的又は文化的に価値が高いと認められた建造物
2. 地域の景観を先導し又は継承し特徴づけている建造物
2 景観重要樹木
1. 歴史的又は文化的に価値が高いと認められた樹木
2. 地域の景観を先導し又は継承し特徴づけている樹木
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