租税公課
所得税・住民税や加算税・延滞税・罰金・反則金・過怠金・科料・過料は『経費』になりません。ただし、従業員に対するこれらのものを支払ったとき給料賃金として『経費』に計上できます。
自宅兼店舗・事務所の不動産取得税・固定資産税、事業・家事共用の車両の自動車取得税・自動車重量税・自動車税・軽自動車税は合理的に算定された事業関連部分の金額は『経費』に計上できます。
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2007⁄2⁄16
『経費』とは、法人事業者(株式会社など)個人事業者(自営業者)を問わず、事業として商品やサービスを他人に提供して売上(収入)を得るために支出する様々な対価のことをいいます。
具体的には商品を購入するための『仕入』、雇用契約に基づき販売や製造作業に従事した他人に支払う『給料賃金』、委託契約等に基づき販売や製造作業に従事した他人や他社に支払う『外注費』や『外注工賃』、折込みチラシの製作料などの『宣伝広告費』等々があります。
今回は時期的に、個人事業者が確定申告のための決算をする際に気をつけなければならない『経費』にならない支出についてお伝えします。
大前提として、個人事業者が事業用の現金預金等(事業用資金)から『経費』として支出したものの中に、税法上、『経費』に認められないものがある、ということです。
特に『家事関連費』といって事業主の日常生活、プライベート部分に支出したものが当てはまります。ただし、ひとつの支出の中に両方の内容を含むものがあり、『経費』としての金額部分を面積按分や使用頻度など合理的な方法で算定できる場合、その金額を『経費』に計上することができます。
以上を踏まえて、経費科目毎に注意が必要なものに関して説明します。
租税公課
所得税・住民税や加算税・延滞税・罰金・反則金・過怠金・科料・過料は『経費』になりません。ただし、従業員に対するこれらのものを支払ったとき給料賃金として『経費』に計上できます。
自宅兼店舗・事務所の不動産取得税・固定資産税、事業・家事共用の車両の自動車取得税・自動車重量税・自動車税・軽自動車税は合理的に算定された事業関連部分の金額は『経費』に計上できます。
荷造運賃
実家の両親や留学中の子供へ荷物を送るために支払った荷造運賃は『経費』にはなりません。
水道光熱費
自宅兼店舗・事務所の場合、事業用使用部分のメーターを取り付けて家事使用部分と分けていれば当然『経費』になります。ただし、分けていなくても事業関連部分の金額を合理的に算定できれば、その金額は『経費』に計上できます。
旅費交通費
新婚旅行や故郷への帰省などに支払った旅費交通費は『経費』になりません。
通信費
事業・家事共用の電話の電話料は合理的に算定された事業関連部分の金額を『経費』に計上できます。
また、事業主が支払った生計を一にする配偶者や子供・親その他の親族のうち事業に関係していない者の電話料・携帯電話料、親族だけで催す法事の出欠を確認する往復葉書代など『経費』になりません。
接待交際費
事業主が支払った本人や生計を一にする配偶者や子供・親その他の親族の結婚式や葬式、法事などの費用は『経費』にはなりません。
ただし、その際に、取引先の関係者を招待して、かつ、その関係者にかかる部分の金額を合理的に算定できれば、その金額は『経費』に計上できます。
損害保険料
国民健康保険料、国民年金保険料等は『経費』になりません。
ただし、従業員に対するこれらのものを支払ったときは、その部分に相当する金額を給料賃金として『経費』に計上できます。自宅兼店舗・事務所の建物の火災保険料、事業・家事共用の車両の自動車保険料は合理的に算定された事業関連部分の金額を『経費』に計上できます。また、生命保険料や傷害保険料は原則『経費』になりませんが契約内容によっては『経費』にできるものもあります。
修繕費
自宅兼店舗・事務所の建物の場合、事業部分の修繕に支払ったことがはっきりと確認できるものは当然『経費』になりますが、建物全体を修繕した場合は合理的に算定された事業関連部分の金額を『経費』に計上できます。
事業・家事共用の車両を修繕した場合は合理的に算定された事業関連部分の金額を『経費』に計上できます。
消耗品費
家事関連支出したものは全て『経費』になりません。
ただし、家事関連で購入したものを事業用に転用したとき、領収証・レシートで金額が確認できる場合に限り、『経費』に計上できます。
ちなみに、家事関連で購入した切手や葉書、収入印紙を事業用に転用した場合も同様に通信費や租税公課として『経費』に計上できます。
減価償却費
自宅兼店舗・事務所の建物、事業・家事共用の車両、機械装置、器具備品は合理的に算定された事業関連部分の金額を『経費』に計上できます。
給与賃金
事業主と生計を一にする配偶者や子供その他の親族に支出された給与賃金は原則として『経費』にはなりません。ただし、税務署に届けを出すなどの一定の条件を満たす場合に限って一定の金額が、白色申告者なら事業専従者控除として、青色申告者なら青色事業専従者給与として経費』として計上できます。もちろん事業専従者控除、青色事業専従者給与の対象となった配偶者や親族は配偶者控除、扶養控除を受けることはできません。
利子割引料
自宅兼店舗・事務所の土地・建物を購入やリフォームするためのローンの支払利息、 事業・家事共用の車両や機械装置、器具備品など動産を購入するためのローンの支払利息は合理的に算定された事業関連部分の金額を『経費』に計上できます。
地代家賃
事業・家事共用の土地や建物など不動産の賃借のため支払われた地代家賃、事業・家事共用の車両の月極駐車料は合理的に算定された事業関連部分の金額を『経費』に計上できます。
また、生計を一にする配偶者や親その他の親族から事業用の土地・建物を借りたとき支出した「地代家賃」は『経費』には認められません。
ただし、その固定資産税などを所有者である生計を一にする配偶者や親その他の親族に代って事業主が支払った場合、租税公課として『経費』に計上できます。
ちなみに、車両や機械装置、器具備品など動産を賃借の対象とした場合はリース料、賃借料として同様な処理をします。
貸倒金
事業主と生計を一にする配偶者や子供・親その他の親族に支出された貸付金等の債権が、回収不能になっても貸倒金には認められず『経費』にはなりません。
以上、青色申告決算書の標準的な科目について、説明しました。
なお、『雑費』やその事業者独自で使用する科目(「保守管理費」「支払手数料」等々)についても、同様にお考えください。
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