韓国史は中国史に組み込まれるのか

10年間の「清史工程」が今年で終了

 中国が清朝の歴史記録を編さんするために2003年から進めてきた「清史工程」は、清朝滅亡から100年目に当たる今年で完了する。中国はその結果物として、歴代王朝として26番目の正史となる『清史』を年内に出版する予定だ。明の時代にまとめられた『元史』、清の時代にまとめられた『明史』など過去の歴史書には、古朝鮮、高句麗、高麗、朝鮮など韓国史が『外国列伝』に収録されている。これに対し、今回出版される『清史』には、高句麗などが中国の地方政権だったとする「東北工程」の論理に従い、韓国史が中国史の一部として記述される可能性が指摘されている。そうなれば、韓国と中国は収拾不能な外交紛争に巻き込まれ、ネットユーザーをはじめとする両国国民の感情的衝突が起きると予想される。

 中国は急速な経済成長を成し遂げた2000年代以降、現在の中国領に居住する56の少数民族全てを中国の歴史とする「統一的多民族国家論」を国家主導で強化する歴史工程を展開してきた。中国社会科学院傘下の辺疆(へんきょう)史地研究センターは02年、古朝鮮、高句麗、渤海の歴史を中国史に組み入れる東北工程を開始。さらに、西部のウイグル地域に対する「新疆事業」、チベット地域に対する「チベット事業」、内モンゴル地域に対する「北疆事業」など一連の歴史工程を進めてきた。中国は少なくとも七つの歴史工程にそれぞれ毎年400万―600万元(約4900―7300万円)の費用をつぎ込んだ。

 中国の歴史工程は、多民族国家を統合するための努力と位置付けられる。チベットの僧侶の集団焼身自殺など少数民族地域で起きている紛争の余波を最小化し、民族統合を成し遂げようという側面がある。しかし、現在を基準として、過去の歴史までさかのぼり、歴史の裁断を行う中国の歴史工程は、周辺国の不安をかき立て、対立の種となっている。歴史を通じ、隣国を侵略、収奪しようとする「歴史帝国主義」だとの批判も出ている。隣国と対立を起こす歴史認識では、中国の国力がいくら強くなっても「グローバル・リーダーシップ」を持つことができないと指摘されている。

 国家間の歴史問題はしばしば領土問題にも発展するため、非常にデリケートな問題だ。中国はインド、日本、ベトナムなどとの領土紛争地域が歴史的に自国領だと強調している。

 東北工程もまた、今後北朝鮮への影響力を主張するための中国の国家戦略ではないかといわれる。東北アジア歴史財団のキム・ヒョンスク研究委員は「東北工程は歴史的事実に基づく学術研究というよりも、韓半島(朝鮮半島)情勢の変化に対する対応策を講じようとする中国政府の戦略的な意図が反映されている」と指摘した。

李漢洙(イ・ハンス)記者
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