精力的にランニングをする吉村=トヨタスポーツセンターで
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名古屋グランパスのMF吉村圭司(32)が23日、今年初めてトヨタスポーツセンターでの本格的な自主トレを行い、プロ11年目での復権を誓った。この2年間は右膝の故障もあって不本意なシーズンを過ごしたが、年が変わって心機一転。若手に対する壁となり、順調なら今季中に達成する通算200試合出場も通過点と位置付けた。
ストレッチ、筋トレ、ランニング…朝一番でグラウンドに現れた吉村は、約2時間半にわたり精力的に動き続けた。「もう一回、1年通して貢献できるようにやっていく」。力強い決意表明を裏付けるように、完全オフは年末だけ。ケガに強い体づくりを掲げ、年明けから自宅付近で走り込んできただけに、その表情は引き締まっていた。
長く中盤を支えてきた仕事人も、この2年間は不完全燃焼だった。一昨年は14試合、さらに昨年は右膝の故障が長引きプロ1年目以来の1桁となる6試合、わずか217分間の出場に終わった。迎えたプロ11年目。「先のことはわからないが、選手としてやれるうちは悔いの残る時間は過ごしたくない」。ベテランと呼ばれる年齢に達し、この先の一年一年が勝負の年となることはわかっている。あと15試合に迫っているJ1通算200試合出場にも、「一つの目標としてはあるが、もう少し長くやりたい。通過点として達成できれば」と、あくまで一つの区切りと位置付けた。
この日は定位置を争う伸び盛りのMF磯村とも一緒に走った。「僕たちも若いころは年上の選手と競争してポジションを勝ち取ってきた。アイツもそういう道を歩んでいくし、切磋琢磨(せっさたくま)してやっていきたい」。若手に対する良き壁となる自信も十分。吉村の復活が、2冠を狙うチームの中盤を盤石なものとする。
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