JR東日本と仙台市は19日、市内で記者会見を開き、仙台駅周辺の再開発計画を発表した。両者が連携して進める東口と西口をつなぐ自由通路の整備事業では、通路の幅を現在の2・6倍となる約16メートルに拡幅する。JR東は通路両側に商業施設を建設するほか、駅東口にホテル、業務棟を18年度までに順次開業させ、「仙台を東日本大震災からの復興の中心」に据える考えだ。【平元英治】
計画によると、自由通路は、自然光をふんだんに取り入れる構造にし、供用開始は15年度の予定。自由通路の整備事業費は約30億円で、市が3分の2、JR東が3分の1を負担する。沿道の両側には、JR東が商業施設(地上6階、地下1階、高さ約30メートル)を整備し、にぎわいを生み出す。
ホテル(地上14階・地下1階、約60メートル)と業務棟(地上13階・地下1階、約60メートル)の建設、整備もJR東の単独事業として進め、2棟の建設予定地は東口のバスターミナル付近を予定している。
ホテルは17年度の開業を目指し、客室数は280程度を想定している。西口に隣接しているホテルメトロポリタン仙台に比べ、より高級感のある外観、内装にする方針。
業務棟は18年度の開業予定で、多目的施設などを設けるが、テナント数などについてJR東は「まだ決まっていない」としている。商業施設、ホテル、業務棟の事業費は100億円単位になる見通し。
JR東の里見雅行仙台支社長は会見で「この計画は震災前から進めてきたが、震災を経たことで東北復興を引っ張っていく大きなプロジェクトになった。JR東の中でも大変重要なプロジェクトとして取り組んでいきたい」と語った。同席した奥山恵美子市長も駅周辺の再開発を「商都仙台の新しいステップだ」と歓迎した。
毎日新聞 2012年1月20日 地方版