すべての機能をご利用いただくためには、JavaScriptの設定を有効にしてください。
設定方法は、ヘルプをご覧ください。

帯広畜産大学環境微生物学研究室

畜大環微研のブログです。

全体表示

[ リスト ]

大学を、大学教育を知るために・・・

傑作(3)

Yahoo!ブックマークに登録

イメージ 1

大学の教育力 - 何を教え、学ぶか

金子元久著　ちくま新書　680円

BOOKデータベースより
社会が変われば大学も変わる。大学全入時代をむかえ、いま大学の理念や組織のあり方が大きく揺らいでいる。今後も大学が未来の社会を考える場であり続けるためには、何が必要なのか。そして、学生は大学でいったい何を学ぶべきなのか。高等教育が直面する課題を、歴史的かつグローバルな文脈のなかでとらえなおし、大学が確実な「教育力」をもつための方途を考える。大学関係者、受験関係者、必読の一冊。

目次:
序章「教育力」の構造
第1章大学教育の歴史的潮流
第2章大学教育のアメリカ・モデル
第3章日本的特質
第4章大学教育の転換点
第5章職業能力・コンピテンス・教養
第6章教育力を作るもの
第7章教育力の基盤　　　　

最高学府はバカだらけ　全入時代の大学「崖っぷち」事情

石渡嶺司著　光文社新書　740円

出版社/著者からの内容紹介
大学全入時代をほぼ迎えたいま、私大では定員割れが続出し、潰れる大学も出てきている。こうした、世間からそっぽを向かれた「崖っぷち大学」は生き残りに必至だが、それは、東大や早慶上智、関関同立といった難関大といえども他人事ではない。どの大学も受験生集めのためにあらゆる手を尽くしている。ところが、その内容は----AO入試で辞退さえしなければ誰でも合格、就職率や大学基本情報の非公表・偽装、イメージをよくするために大学名を改名(秋田経済法科大からノースアジア大へ)、新しいことを学べる新学部を設立(シティライフ学部や21世紀アジア学部を新設)などなど、世間の常識と大いにズレていて、どこかアホっぽいのだ。本書では、こうした大学業界の最新「裏」事情と各大学の生き残り戦略を、具体例をふんだんに交えながら紹介していく。

著者について
石渡嶺司(いしわたりれいじ)
ライター・大学ジャーナリスト。一九七五年北海道札幌市生まれ。私立北嶺中・高等学校、代々木ゼミナールを経て東洋大学社会学部社会学科に入学。卒業後、派遣社員、無職、編集プロダクション勤務ののち、二〇〇三年にライターとして独立。以後、大学・教育問題や学生の就職活動などを中心に評論・執筆活動を行う。全国の大学を見学して回り、二〇〇七年現在、二五〇校を超える。著書に、『学費と就職で選ぶ大学案内』(三五館)、『15歳からの大学選び』『15歳からの大学選びトレンド業種志望編』(小学館)がある。

金子先生の著書の表表紙には以下のような文章が書かれている。

・・・もし現在の大学教育に問題があるとすれば、それは何なのか。さらにそれを克服して、いわば大学が確実な「教育力」をもつために大学は何をするべきなのか。またそのためにどのような条件が必要なのか。本書ではこうした基本的な問題に立ち返って、日本の大学教育の将来を考えてみたい。

基本的な問題に立ち返っており、述べられていることも的外れではなく正当な考えであるし、間違ったことは書かれていない。でもかなりの違和感を感じた。多分一流の大学関係者の方（たとえば旧帝大やら早慶を卒業されていて、そこで教育されている先生方）にはすんなり理解できる内容であり、「自分たちのところはこうやっていくから問題はないよ」という、ちょっと上からの驕りがにじみ出ている論述が多いような気がした。はたして、2,3流の大学で通じるかどうか？は疑問であった。文科省にはこのような先生がバックにいるのだろうなぁと感じた。

それにくらべ石渡さんの著作は面白かった！

これらの本は2冊とも読書対象者は「大学関係者、受験生を含む受験関係者」である。おそらく、金子先生の著作に共感を持たれた大学関係者には「なんてくだらない本なんだ！」と思われるかもしれないが、よっぽどこちらの著作のほうが大学教育の現場や実情をわかりやすく説明していると感じた。言いすぎかもしれないが、金子先生の著作は、石渡さん著作の第5章「ジコチュウな超難解大」の立場で書かれているような気がする。

最高学府はバカだらけ　最終章221頁

日本の大学の面白いところは、在学中に学生が急成長をとげることにある。人によっては、この急成長を”化学反応”と呼ぶ。

もとからやる気や目的のある子たちは良いが、そうでない学生にどれだけ「化学反応」を起こさせるかがこれからの課題であると思った。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　MASA