県警に昨年1年間に被害届が出された振り込め詐欺被害は86件で、被害総額は1億2183万円に上ったことが11日、振り込め詐欺対策室のまとめで分かった。前年に比べ19件、4624万円の増加で、被害総額は2年ぶりに1億円を超えた。息子などを名乗って現金やカードをだまし取る「オレオレ詐欺」が47件(前年比13件増)の7668万円(同3528万円増)、うその融資話を持ちかけ、融資のための手数料などの名目で現金をだまし取る「融資保証金詐欺」が16件(同11件増)の3361万円(同1382万円増)と、それぞれ件数、被害額とも大幅に増えた。
同対策室によると、オレオレ詐欺の手口とみられる現金の振り込みなどを要求する不審電話は昨年、約760件確認され、前年比で約260件増加。高齢の女性が被害に遭う事件が目立った。融資保証金詐欺では、被害者16人中15人が中小企業経営者で、同対策室は「不況の影響で資金繰りに困った経営者が狙われたのではないか」とみている。
他には、身に覚えがない請求書を送り付ける「架空請求詐欺」が16件(前年比12件減)で被害総額が740万円(同698万円減)、一昨年は被害が無かった還付金の受け取り手続きを装って指定口座に振り込ませる「還付金詐欺」が7件で被害総額は412万円だった。