2011年11月25日 15時0分 更新:11月25日 22時29分
法制審議会(法相の諮問機関)が検討している会社法改正原案が25日、分かった。企業統治(コーポレート・ガバナンス)を強化するため、経営者の選定や解職に関与できる「監査・監督委員会」の新設が柱。社外取締役の設置義務づけも盛りこまれた。12月中旬に中間案をまとめ、政府は来年中の法案提出を目指す。
オリンパスや大王製紙問題では社外取締役や監査役、監査法人のチェック機能が十分働かなかったことや、子会社が不正の温床になったことが指摘されている。原案では、一定以上の規模の企業などは、監査役会に代わって監査・監督委員会を設置できるとした。委員の過半数は社外取締役で構成し、委員の選任は株主総会で決定、取締役会からの独立性を確保する。
同様の企業などに社外取締役の選任を義務づける。取締役の親族や、過去10年以内に親会社の取締役や従業員だった人物は社外取締役に就任できない。
子会社に対しては、親会社の株主が子会社の役員に対して株主代表訴訟を起こせる「多重代表訴訟制度」を導入。監査法人の独立性強化のため、監査役会が監査法人を選任、解任できる権限を持つことも盛り込んだ。
経済界にはこうした見直しが経営を妨げかねないとの異論もあることに配慮し、社外取締役の義務づけなどについては、現行法を見直さないとする案も併記した。【田所柳子】