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樹木と放射性物質、本格調査 信大・村松教授が取り組みへ 01月20日(金)

放射性物質を検出する機器で灰の状態にした落ち葉を測定する村松教授=長野市の信大教育学部

 信大教育学部(長野市)の村松久和教授(核・放射化学)はことし、樹木や葉などに取り込まれた放射性物質の調査に本格的に取り組む。東京電力福島第1原発事故を受け、県が昨年秋、落ち葉のたき火を自粛するよう呼び掛けたことで、市民も落ち葉の取り扱いに苦慮していることから研究を開始。木の幹や葉などの放射性物質を測定し、拡散していく放射性物質の流れや、日常生活に及ぼす影響を明らかにしたい考えだ。

 村松教授は昨年12月、同大学構内からモミジ、イチョウ、プラタナス、クヌギの4樹種の落ち葉を採取。検体を小さくして放射能が飛散しづらくして測定精度を上げるため、灰にしてセシウム134(半減期は約2年)とセシウム137(同約30年)を測定した。

 その結果、セシウム134がモミジで1キログラム当たり445・0ベクレル、イチョウで同160・0ベクレル、プラタナスで同22・8ベクレル、クヌギで同31・6ベクレル検出された。また、セシウム137は、モミジで同612・3ベクレル、イチョウで同214・6ベクレル、プラタナスで同56・6ベクレル、クヌギで同43・6ベクレル検出された=表。

 これらの数値を乾燥した落ち葉の重量に換算すると、モミジでセシウム134が1キログラム当たり68・3ベクレル、イチョウで同20・9ベクレル、プラタナスで同2・0ベクレル、クヌギで同2・2ベクレル。セシウム137はモミジが同94・0ベクレル、イチョウが同28・0ベクレル、プラタナスが同4・9ベクレル、クヌギが同3・1ベクレルだった。葉ごとにセシウム134とセシウム137を合算しても農林水産省が定めた腐葉土などを原料とした肥料の放射性物質の暫定基準値(同400ベクレル)は下回った。

 村松教授によると、福島第1原発事故で放射性物質が飛散した3月時点でこれらの樹種は芽吹き前だった。このため事故後、いったん地面に落ちてから、風で舞い上がった放射性物質が付着したり根や樹皮から吸収されたりして葉に移行した可能性もあるという。

 今後は、木の幹や青葉など測定の幅を広げ、放射性セシウムの数値を比較していくという。また、モミジの数値が比較的高く出ており、「サンプル数が少なく確定的なことは言えないが、樹種によって吸収率の違いも考えられる」とし、樹種ごとの比較も進める。村松教授は「樹木、腐葉土、木材などと放射性物質がどう移行していくか、長期間で探っていきたい」としている。


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01月20日(金)の県内ニュース

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