三重県四日市市の県立高で昨年9月、柔道部の2年男子生徒が練習中に首の骨を脱臼していたことが18日、県教委への取材で分かった。男子生徒は首から下が不随状態となり、愛知県内の病院に入院している。
県教委によると、同月11日、部員が2人1組で寝技の練習中、男子生徒が突然ぐったりしたという。顧問が救急車を呼び、搬送先の病院で頸椎(けいつい)脱臼と診断された。男子生徒は初段だった。男子生徒の意識ははっきりし、意思の疎通はできるという。県警の捜査では、事故の直接原因は特定できなかったという。同高は県警の判断と独自調査から「指導方法などに問題はなかった」としているが、保護者らと話し合い、準備運動の時間や種類を増やすなどの対策を取り、部員全員には任意保険に加入してもらったという。
県教委は同高から事故報告を受け、直後の校長会議で「部活中の重大な事故が相次いでいる」などと、他校での熱中症の事案と併せて口頭で注意喚起をした。
しかし、「指導方法や安全管理体制に問題はなかった」などとして、校長会議で同高の事故の詳細な報告はしなかったという。県教委は「注意喚起が十分ではなかった。早急に事故の詳細を他校にも報告し、注意を促したい」としている。【駒木智一】
毎日新聞 2012年1月18日 13時54分