文藝PIERROT

元弥きとの生態を公開中!!

posted by tubaki-novelist
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 医療問題で失敗すれば訴える。こんな流れが出来上がっている。しかし、そうした緊張状態に置かれた医師は更に失敗するようになるのではないだろうか。ある程度の規律は必要であるが、必要以上の規律は作業効率を悪化させるばかりである。今の医療業界はそうした状況に陥っている。

 誰が好き好んで、訴えられるかも知れない業界に入っていくのであろうか。強い熱意があったとしても、一度失敗しただけで全てを失うかも知れない。こんな業界に優秀な人材が参入してくるとは思えない。そうして敬遠されればされるほどに医者の数は激減していき、更に医療ミスは増え続ける。

 ネガティブ・スパイラルが完全に出来上がってしまっている。

 確かに治療したにも関わらずに人が死んでしまうというのは悲しい話だ。しかし、医療ミスと、そうでない治療の末の死を同じく取り扱う医療クレームは控えるべきであろう。死ぬはずの無かった人が死んだ。これは確かに訴えられるべき重大なミスであると言える。

 しかしだ。本来、放置していれば死ぬかも知れない人に対しての延命治療の末に死んでしまったとしよう。これも治療ミスだというのは間違っているのではないだろうか。教育問題を知らずに教育を罵倒するとの同じである。何故に知らないことに対してそこまで強く口を出そうとするのかが理解できない。

 私は医療に関してはまったく知識を有してはいない。それゆえに、なんとも言うことは出来ない。しかし、大抵の人は私と同じ状況であるはずだ。付け焼き刃の知識で不信感ばかり募らせては逆プラシーボ効果だって現れるのではないだろうか。


 そうして、逆プラシーボが出て治療が上手くいかなくなれば、それは更に逆プラシーボの力を強めていってしまうことになる。これで誰が得をするのか。誰も得なんてしないない。むしろ、みんなが損をしているのである。意固地になる必要なんてないはずである。

 マスコミが医療問題を叩いている。マスコミが教育問題を叩いている。その流れに乗ってみたい気持ちはわからないでもない。しかし、やり過ぎはイケナイ。結局それで医療環境を悪化させていってしまっているのが現状だ。

 本当にその抗議は正しいのか。ただの八つ当たりで現場を荒らしているだけではないのか。クレームを出す前に一度それを考えることが必要とされるのだ。現在の産婦たらい回し事件なんていうのは、クレーマーによってボロボロにされた医療状況が生み出した悲劇なのである。

 医療無き時代を欲するのであれば必要以上に叫べばいいだろう。しかし、そうではないのであれば、きちんと共存することが肝要である。仲間なのである。敵ではないのだ。そういう感覚を持つことが必要なのではないだろうか。


<関連時事問題>
全国で2万人超の医師が不足―厚労省・医師不足実態調査医療介護CBニュース 9月29日(水)0時20分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100929-00000000-cbn-soci

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