【猫論】 がれきの下の被災猫 7
- 2011/06/07(火)
その後、相変わらず風呂場の中で保護を続けている。毎日見慣れている僕でも回復してきたのは分かる。
終日ケージの扉は開けておくようになった。以前は小さなケースをトイレ代わりに使っていたが、ちゃんと猫トイレを導入してケージの外に置いた。風呂の扉も開けて、脱衣所まで自由に行動できるようにした。それでもトイレはちゃんと使ってくれたし、食事と水もちゃんと減るし、ドライフードも大丈夫。「減る」と書いたのは実際に食べるところを見かけないからだ。僕の姿を見るとケージの奥で丸まって行動はしない。人の見ていないところでゴソゴソ動くのだ。
ただ、体が元気になるにつれ精神的な面が表に出てきた。やはりひとりだと寂しいようで「キューン」と鳴き声が聞こえる。その度に面会に行くけれど、黄色猫は僕に近づいてくるわけではない。ゆっくり近づけば普通に撫でることはできるけれど、少しでも驚かすようなことがあると臆病になって固まってしまう。
あるとき、また鳴き声がして脱衣所のドアを開けると、ほふく前進するようにケージに逃げ戻る姿があった。その動きはぎこちなく、ゆっくりだ。外見は回復してもスムーズに歩けるほどではないのか。いつまでも狭い中で過ごさせたくはないし、首輪だけ付けて野良に戻すことも考えているのだけれど、もう少し様子を見ないといけない。猫本人はこのケージ内が自分の隠れ家だと思っているようだが…。(片岡亮)
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コメント一覧
そうですか。特にノラのニャンコは自分の健康だけがよりどころ
なんで、まだノラとしては厳しそうですね。ただ少しずつ良くなって
るようなのでちょっと安心しました。
幸せそうなミッ君達とこの子をくらべちゃうと、なんかまだ避難所生活の被災者の方々と被害に遭わなかった自分達をかさねて見ちゃうんです。もちろんミッ君達には何の罪もないんですが。
バカで怠け者の自分、まじめで我慢強い東北の人々・・・なんでこんな
投稿者: Kひよこ 2011/06/07[編集]
>猫本人はこのケージ内が自分の隠れ家だと思っているようだが…。
その後がなかなか難しいところでしょうね。野良の成猫は家飼いは難しいので野良に戻すのがいいと思いますが、野良の世界も弱肉強食というか非情な世界でありますでの、十分な養生をさせてあげてほしいです。片岡さん、それにしてもお疲れ様でございます。
投稿者: いやまじで 2011/06/07[編集]
今でこそ裕福な顔してますが、ミッ君も拾った時は死ぬ寸前だったんですよ。幸い懐いてくれたんで良かったです。
こちらキーちゃんは人にベタベタ懐くような感じはないですね。ウチが猫を飼ってなかったら部屋飼いするんですが、こればかりはどうしようもないので近所の野良猫として生きてくれれば。もう少しケアを続けます。
投稿者: ★片岡亮(拳論) 2011/06/07[編集]
キーちゃん、毛並みがふっくらして、毛艶も出てきて、
確実に復活してますね。表情もわかりますよ。良かった!!
ネコのほふく前進ですが、それ見たことがあります。
ウチのネコを公園に連れて行った時のことです。
首輪にリードを付けて〜〜ワンコ風に散歩もいいかなと。
抱っこしていたのを、散歩道に下ろしたとたん・・始めました。
それも道の端の浅い側溝にすっぽり入って、ほふく前進(笑)
どっから弾が飛んでくるんだ?みたいな情けない格好でした。
ゆったりと歩いて散歩を、と思っていたので、情けなかったつーか。
通る人がそれを見て大笑いしてくんです。確かに面白かったけど。
時々、ちょこっと顔を上げて周りを見るんですよ。警戒して。
抱っこしたら、心臓がバクバクしてました。危機感でしょうかね。
投稿者: 匿名 2011/06/08[編集]
「近所の野良猫」として生きられるだろうか・・・。いま居る場所が、キーにとって、生涯最高の場所かもしれません。ただ、そのことに、キーは気づいていない・・。無理もないが・・。
投稿者: 山 マサ 2011/06/08[編集]