永登浦区大林洞の大林衿川教会は昨年1月、公園などで野宿するホームレスの中国人の臨時宿泊所として、地下室を開放したところ、ひどい目に遭った。中国人らは昨年4月、天候が暖かくなると、教会周辺でたばこを吸ったり、酒を飲みながら騒いだりした。ごみもみだりに捨て、信徒や住民から抗議が相次いだ。
チャイナ・タウン周辺は、中国籍の朝鮮族の新たな拠点となろうとしている。
仁荷大政治外交学科のイ・ジンヨン教授は「07年に訪問就業制度が実施されたことで急激に増えた朝鮮族がチャイナ・タウンの周辺に集まっている」と述べた。訪問就業制度とは、中国と旧ソ連地域に住む外国籍の韓国系住民に最長で3年間の滞在を認める制度だ。滞在資格の延長も可能で、朝鮮族は韓国に長期滞在することができる。
ソウル市のチャイナ・タウンとして代表的なのは、中国人約3万8000人が暮らす九老区加里峰洞、九老洞一帯、約1万9000人が住む永登浦区大林洞だ。また、冠岳区でも奉天洞一帯に中国人が集まり始め、中国人の数が5年前の約8000人から現在では約1万8000人に増えた。麻浦区延南洞周辺は伝統的に華僑が多く、広津区紫陽洞にも約3000人の中国人が住み、チャイナ・タウンが形成されようとしている。全国的にはこのほか、仁川市善隣洞、釜山市草梁洞、京畿道高陽市に整備中の一山チャイナ・タウンなどがある。
同徳女子大のウ・ビョングク韓中未来研究所研究教授は「先に来た朝鮮族を中心に定着拠点が形成され、中国人が最近2-3年で集団化した。彼らは固有の文化をそのまま持ち込み、地元住民と対立を起こすようになった」と分析した。