ヨーロッパで信用不安が広がるなか、旧ユーゴスラビアのクロアチアでは、EU=ヨーロッパ連合への加盟の是非を問う国民投票が行われて、賛成が過半数に達し、クロアチアはEUの28番目の加盟国となる見通しです。
クロアチアは、1991年に旧ユーゴスラビアから独立し、その後、EUへの加盟を最優先課題に掲げてきました。2005年から始まったEUとの加盟交渉が去年、終わったことを受けて、22日、加盟の是非を問う国民投票が行われました。投票の結果、賛成がおよそ66%、反対がおよそ33%で、賛成が過半数に達し、ヨーロッパで信用不安が広がるなか、クロアチアの国民はEUへの加盟を選択する意思を示しました。今後、EUに加盟するすべての国が批准手続きを行い、来年7月にEUの28番目の加盟国となる見通しです。今回の国民投票で、南部の街、ドブロブニクで投票した80歳の男性は「加盟すれば、クロアチアが経済危機に陥っても助けてもらえると考え、賛成した」と話していました。その一方、30歳代の男性は「信用不安が広がるなか、EUでは失業者が増え、借金が増えている。EUへの加盟は心配だ」と述べ、懸念を示していました。加盟に際してEUは、クロアチアに財政の健全化を求めており、クロアチア政府は公共サービスの削減など緊縮財政を強いられていることから、今後、国民の不満が高まることも予想されます。