原子力発電所の運転再開の判断の前提となる「ストレステスト」が適切に実施されているかを検証するため、IAEA=国際原子力機関の調査団が来日し、23日から調査を始めました。
「ストレステスト」は、原発が地震や津波にどのくらい耐えられるかをコンピューターのシミュレーションで確認するもので、国の原子力安全・保安院は、関西電力が実施した大飯原発3号機と4号機の結果について、今月18日、「テスト方法は妥当だ」とする初めての評価を示しました。これを受けて、IAEAの調査団が、テストの方法などが国際的な基準に照らして適切かどうか検証し日本政府に助言するため来日しました。調査団は、原子力の安全対策や地震の専門家10人から成り、初日の23日は、原子力安全・保安院からテストの審査方法について聞き取り調査を行っています。聞き取り調査の冒頭で、ジェームズ・ライオンズ団長は、「審査方法を含め日本のストレステストについて包括的な評価を行うので、参考にしていただきたい」と挨拶しました。調査は9日間予定され、今月25日と26日には福井県にある大飯原発を視察してテストに示されている津波対策の内容を確認することにしています。調査団は、最終日の31日に報告書をまとめる予定で、原子力安全・保安院は、報告書の内容も踏まえて来月上旬には大飯原発の2基の「ストレステスト」について最終的な評価を示す方針です。