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職場の悩み…対話鍛える動きも 「ヤバい」「ウザっ」言葉の壁
日本語学者の金田一秀穂杏林大教授は「言葉の使われ方は変わるものだ。吉田兼好も芥川龍之介も嘆いた」と話す。
ただ、はやりの言葉遣いは誤解を生みかねない。「私も、学生に『先生のこだわりは何ですか』と問われ、腹が立った。中高年には『どのようなつまらないことに、今もうじうじしているのですか』という意味だから」
人は、育ってきた時代の言葉遣いで自分というものを形作るという。このため言葉が違う意味で使われると、「自分というものが傷付けられたように感じ、不快になる」。
金田一教授は「そもそも言葉は万能ではない。思いは表現しきれない」と語る。意思疎通を図るには相手と会い、互いに表情を見て声を聞くときの感覚も重要という。
実践形式で研修
企業でも社員の対話能力向上が業績につながるとの見方が強まっている。人材育成を支援するリクルートマネジメントソリューションズは毎年、大手企業など数百社に実践形式で研修をしている。
「もっと相手に分かるように説明し直しましょう」。講師は、顧客と営業担当者の役に分かれた会社員に疑似商談などをさせ、説明不足のシーンを指摘する。狙いは各自が言葉を使いこなして客観的に考え、説明能力をアップさせることだ。
もっと良い表現を蓄えたいときに頼りになるのは『日本語 語感の辞典』(岩波書店、3150円)だ。TPO(時、所、場合)や類語に配慮し、ニュアンスや使用例を列挙。平成22年秋の発売後、約6万部も売れているという。
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