つなぐ 希望の木
災難を乗り越えてきた木々を、都内に訪ねた。
【社会】困った“旗ざお長屋” 世田谷区、規制へ2012年1月23日 07時05分 住宅地として人気の高い東京都世田谷区で、都条例でアパートやマンションを建てられない「旗ざお敷地」に高さ十メートル近くの長屋が建築され、「火災時の避難や消火活動が心配」などとする近隣住民とトラブルになる事例が相次いでいる。世田谷区は「周辺との調和を損なう」として大規模な長屋の新規建築には一定の歯止めをかける方針を固めた。住環境への配慮を定める区条例の改正を軸に検討し、二〇一二年度早期の実施を目指す。 旗ざお敷地は、表の道路と接する通路が細長く、奥の方に土地が広がり、上空から見ると、旗を掲げたポールのような形をしている。都建築安全条例では、マンションなど玄関や廊下を共用する共同住宅は、避難が滞りかねないという防災上の理由から建築を規制。一方、複数の住戸が連なる長屋の場合、それぞれ独立した一階の玄関から直接避難できることから、規制の対象外とされている。 世田谷区では、二〜三階建ての「重層長屋」も建築されているが、近隣住民が「火災などの避難時に狭い通路は危険」「高さ制限や敷地境界線のぎりぎりまで立ち、圧迫感がある」などと懸念。住民が建築審査会に審査請求する事態にもなっている。 旗ざお敷地を活用した長屋建築は、アパート経営の指南本で「狙い目」と紹介され、近年、建築例が目立つ。同区内では、延べ床面積三百平方メートル以上の長屋の建築は〇九年以降で百十五件あり、うち四十五件が旗ざお敷地だった。保坂展人区長は「制度のすき間をかいくぐる業態。区として一歩進んだ対策をとる」と話し、区条例で、通風や採光の確保、周辺への圧迫感の低減を定めるなどして、規模の大きな長屋は建てにくくする。 都は「実態を把握した上で、安全上の観点で対応を検討する」(都市整備局)として都内全域を対象に調査しているが、地域で住宅事情は異なり、一律に規制することに慎重論もある。 (東京新聞) PR情報
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