「えーっ!」「マジすか!?」。「ヘビーローテーション」が1位に選ばれた直後、アンコールを求める約2000人の目は無人のステージ上の映像にくぎ付けになった。
ギターやトランペット、ドラム…。それぞれの楽器を奏でるメンバーのプロモーションビデオ(PV)が流れると、サプライズで18人がステージに登場。実際に演奏しながら、前田ら主要メンバーがボーカルを務め、卒業をテーマにした切ない歌詞の新曲をアップテンポなメロディーに乗せて歌い上げた。
18人中、本格的に担当楽器の経験があるのは、高校時代にガールズバンドを組んだベースの大島優子(23)のほか、トランペットの松井玲奈(20)、トロンボーンの指原莉乃(20)の3人だけ。しかし、つたない演奏ながらも一生懸命さはファンにも伝わり、「すごい!」「かっこいい!」と称賛の声があちこちで飛んだ。
新曲CDの付録となるPVのDVDは、ドラマ「北の国から」シリーズなどを手がけた演出家、杉田成道氏(68)が担当。PV内のバンド名は「Baby Blossom」と決まった。過去にチームKがAKB劇場の公演用に「友よ」でバンドを組んだが、本格的なビッグバンド結成によるシングルCD発売は今回が初挑戦だ。
忙しい合間をぬって、昨年8月末から、それぞれの楽器パートの講師について極秘練習を積んできた18人。歌と演奏を終えた大島はファンの前で「まだまだ、全然…。でも、地道にやれば、できることが分かった」と胸を張った。リードギターの高橋みなみ(20)も「不可能ってないなと思った」とほおを紅潮させつつ、「震えがとまらん! 指が思うように動かなくて、ちびっと間違えた」と反省の弁をもらした。
キーボードの渡辺麻友(17)も「子供のころ、少しピアノを習っただけです」と緊張した面持ち。ドラムの柏木由紀(20)が「(スティックでたたく練習で)腕の筋肉がついて、腹筋が割れました」と笑顔を見せれば、トロンボーンの峯岸みなみ(19)は「最初は(楽器の)組み立て方も分からなかった。音符が読めないので楽譜に数字を書き込みました」と初々しい笑顔を見せた。
ひとつ所に安住せず、常に走り続けるAKBの新たな挑戦が始まった。
(紙面から)