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自民党大会 来賓に罵声

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 自民党議員が来賓者にやじを飛ばす騒動が22日、発生した。この日、都内のホテルで行われた自民党大会で、来賓としてあいさつした経団連の米倉弘昌会長(74)がTPP参加の必要性を訴えた際、一部議員が「TPOをわきまえろ」などと、声を荒らげた。国会ではやじの応酬になる政界でも、来賓者へのやじは異例。党内では、TPOをわきまえていないのは議員側だという指摘も出ており、打倒民主党で一致結束を確認し合う場で、足並みの乱れが露呈した。

 「自民党に期待するからこそ一点、率直に申し上げる」。米倉会長はこう切り出すと、野田政権が進め、自民党内で賛否が分かれているTPPに触れ、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)に不可欠な道筋として、まずTPPだ」と、切り込んだ。

 途端に会場の至るところから、やじが飛び始めた。「TPOをわきまえろ!」「こんなやつに話をさせるな!」。米倉氏は「TPP推進にご尽力いただきたい」と続けたが、反発はさらに広がった。「何がTPPだ!」。場内は騒然となった。

 米倉氏はひるまず、消費税増税にも言及した。「消費税の早期引き上げを含め、財政再建と社会保障の立て直しが求められている。国民、国益本位の観点で政策論議をリードしてほしい」と、自民党が拒否する与野党協議参加を注文した。あいさつは約5分。演壇を降りる際は「何を考えてんだ!」と罵声を浴びた。谷垣禎一総裁がすぐに歩み寄り、握手を求めたが、米倉氏の表情は硬かった。

 やじの主は、TPP反対派議員だった。TPPも増税も党内で意見がまとまらず、議論が先送りされている、文字通りのアキレスけんだ。そこを突かれた形だが、党として招いた来賓へのやじは、異例の非礼。小泉進次郎青年局長は「黙って聞いていればいいのに。国会のやじには、いいもの悪いもの両方あるが、こういう場でのやじは残念」と疑問を呈した。

 経団連会長は政権交代後の10年、自民党大会を欠席し、昨年から再び出席しているが、今回の非礼が両者の関係に水を差す可能性もある。谷垣総裁は党員に「ホップ・ステップ・ジャンプで、政権奪回の本願を遂げる時だ」と、野田政権を早期の解散総選挙に追い込む決意を示したが、足並みがそろっていない党内の現実を露呈する皮肉な場になった。【中山知子】

 ◆TPO Time(時間)Place(場所)Occasion(場合)の頭文字を取った略語。和製英語で、ファッションデザイナーの故石津謙介氏が60年代に発案した。時間、場所、場合に適応した服装をしようという提案だった。英語の疑問詞「5W1H」からヒントを得たとされる。現在ではさまざまなビジネスの現場で多用。公私混同しないことや、敬語を使い分けることも意味する。

 ◆TPP(環太平洋連携協定)Trans Pacific Partnershipの略。加盟国間で関税を撤廃し、貿易や投資の自由化を目指す動き。06年にシンガポールなど4カ国が結んだ経済連携協定が原型。10年の第3回会合には米国、オーストラリア、マレーシアなど9カ国が参加。日本は昨年11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)で野田首相が交渉への参加方針を表明した。

 [2012年1月23日8時9分 紙面から]


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