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【サッカー】

トルシエ氏、敬意のフラット3封印 「直樹がいないと意味がない」

2012年1月23日 紙面から

◇松田直樹メモリアルゲーム

 22日の「松田直樹メモリアルゲーム」で、オールスターチームの「Naoki Friends」の指揮官を務めたのは、2002年ワールドカップ(W杯)日韓大会の日本代表監督だったフィリップ・トルシエ氏(56)=現中国リーグ・深〓監督=だ。この日はトルシエ・ジャパンの代名詞だったDFラインのフラット3を「直樹がいないと意味がない。昔のイメージを台無しにする」と封印、4バックで試合に臨んだ。

 松田さんへの敬意を込め、代名詞の戦術を封印した。この日の「Naoki Friends」はフラット3ではなく、4バック。21日のミーティングで当時の代表主将の宮本恒靖氏(元神戸)らからフラット3を望む声もあった中、トルシエ氏は採用しなかった。

 「『フラット3=直樹』。彼がいないと意味がない。当時は中田(浩二=現鹿島)、森岡(元京都)、宮本、直樹しかうまくできなかった。今日は中田がケガをしていたのもあるが、フラット3には直樹が不可欠だった。昔のイメージが台無しになる」。うっすらとほおにひげを蓄えたかつての代表監督は、遠い目をしていた。

 フラット3はDFの3人を並んだ状態にし、全体をコンパクトに保つことを目的にしたトルシエ・ジャパンの代名詞ともいえる戦術で、02年W杯では松田さんが右サイド、センターは森岡と宮本氏、左サイドは中田浩。トルシエ氏は「私は直樹に対して特に厳しかったし、反発もあった。(W杯期間中の)宿舎でケンカしたこともある」と思い出話を披露した。

 2人は00年シドニー五輪でベスト8、02年W杯では日本史上初の勝ち点と白星、ベスト16入りと、日本サッカー史に名を残してきた。「今日は楽しい気持ちでいっぱいだった。直樹が愛した友達(のプレー)は素晴らしかった。きっと、直樹は彼らを誇りに思っているでしょう」。天国の教え子に語りかけるかのように、トルシエ氏は静かに言った。 (関陽一郎)

※〓は土へんに川

 

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